→詳細プロフィールはこちら
こんにちは!!
いじめ-ラボ管理人の「はかせ」と申します。
今回の記事は2014年に宮城県仙台市で起きた館中学校いじめ自殺事件についてまとめながら「冤罪」について考えて行きたいと思います。
いじめと冤罪は一見無関係に感じるかもしれませんが、年々増加していて裁判にまで発展し泥沼化してしまうケースもあります。
いじめは「加害生徒」が悪い
確かにそうなのですが、肝心の問題の内容についてしっかりと判断出来る大人はどれ位いるのでしょうか??
もしかしたら違う生徒を犯人に仕立て上げてしまっているのかも知れません...。
つまり「冤罪」の可能性が出てくるという事になります。
我が子が被害に遭ってしまった家族にとって冷静な判断なんて出来るワケありませんし、近年のいじめ問題を振り返って見てみると学校がまともな判断をするとも思えません。
近年のいじめ問題解決の難しさは「内容」と「対応」の他に「何処までがいじめなのか」正確な判断が付かない事にも原因があると思います。
中には子ども同士で話したりした方がより良い解決が出来たのかも知れないケースもあるかも知れません...。
今回具体例として「仙台市立館中学校の事例」を挙げながら、私たち親が今後どのように向き合って行けば良いのかを簡単にまとめて行きたいと思います。
この事件は2018年現在調べたところまだ続いている様なので、また追記しながらまとめて行きます。
※この他にもこのサイトでは私たち家族が子供の被害を通して感じた事や学んだ事をベースにまとめていて、記事形式にして紹介しています。
「いじめ」が他人ごとでは無く明日は我が子に降りかかる問題であり、風化させない為にも実体験を基に記事にまとめています。
もし、我が子が不登校になってどう守って行けば良いのか分からなくなった時にも、あわせて読んで頂ければお役に立てる内容となっています。
実際に裁判を起こしたり、弁護士や行政書士の方のお話を聞いたりと解決策に向けて取り組んできた事の内容を書いていますので是非1度読んでみてください!!
※いじめ問題についてまとめたサイト「いじめ-ラボ」はコチラ!!
『いじめ-ラボ』
仙台市立館中学校で起きたいじめの内容
2014年に起きてしまった自殺事件で被害を受けた生徒はどんな内容の被害だったのか調べて行きたいと思います。
自殺した当時、被害生徒は中学校1年生で2学期が始まる9月に自殺が行われた事が判明しています。
中学校1年生という事なので小学校から引き続いていじめを受けていた可能性がありますが、今回明らかになった内容は次の通り。
・あだ名を言ったり、からかわれる(今回の加害生徒の1人にも自殺した生徒はからかって言い返していた)
・自殺した生徒の顔写真が加工されてLINEで流出
・悪口(変態)と言われる
・1度いじめについて先生に相談した事で報復を受けいじめが酷くなる
以上の内容が判明し、今回の自殺とその内容との間で「因果関係」が認められるのかが後の裁判で争われる形となります。
今回の自殺事件で関係があるとされた加害生徒は11人おり、全員が同じ内容に関与しているわけではなく全部に絡んでいる生徒がいれば、からかいの部分しか関与していない生徒もいる被害の証拠が残りにくい間接的ないじめの内容になっています。
この記事でフォーカスを当てる人物は今までとは違い、加害生徒の1人とされているA君。
以前このA君は自殺した生徒と仲が良かったそうで、相談があると何度かA君の所に遊びに行って相談していたくらいの親密度であったそうです。
このA君が関与しているいじめについては「あだ名を言った事」で、少なくとも学校で今回の自殺事件の聞き取りが遭った時に進んで聞き取りに応じている事から悪意をもって自殺した生徒に対して接していたとは考えにくいでしょう。
今まで調べてきた事例では加害生徒の証言や言動は「やっていない」とか「関係無い」とかの一点張りだったり、「黙秘」を続けると言った未成年のやった事を逆手に取って過剰に権利を行使するようなやり方が多い傾向にあります。
では一体何が生徒間で起きていて誰が事実認定をしているのか、または何処で話がこじれてしまっているのかを調べて行きましょう。
今回の題名にもなっている「冤罪」について少しずつ触れながら話を進めていきたいと思います。
中学校や教育委員会がとった今回の問題に対する対応
今回の事件に対する学校の対応については、今まで他の学校の対応と変わらず「隠蔽」に近い形で情報を外部に出さなかった事が挙げられます。
この学校の対応のウラには「遺族側からの非公開の要望」が隠れていました。
なんと自殺の1年後に学校と市の教育委員会が自殺について公表する会見を行ったのです。
後に行われるアンケート調査も1年後に行われており、真実は1年間隠蔽(遺族の要望としても)されていた事が明らかになりました。
遺族側の理由として、地域に迷惑を掛けたくなかった事と後に引っ越しをする為にひっそりと引っ越ししたかった事を理由として挙げています。
今までのケースであれば「我が子の自殺」について真実を知りたいと思う事が一般的と考えていますが(私もそう思います)、我が子の事よりも「地域」の事を考えていたとなると昔ながらの地域の繋がりを恐れていたのか、もしくは学校が絡んでいた可能性が窺えます。
また関係のある生徒に聞き取りを行った時も、聞き取りを行った時点で「加害生徒」として聞き取りを行っている節があり関わった内容に関わらず遺族に連絡をしていたのかも知れません。
1年間もロクに調査もせずにいたら当時の事実なんて有耶無耶になるし、犯人ではない生徒を仕立て上げる危険性も含んでいますので冤罪になる可能性は非常に高くなるでしょう。
その後学校側が加害生徒とされる11人の保護者に「和解による解決」を申し出ている事が判明し、納得のいかない保護者達は和解を拒否し裁判での争いとなります。
先ほど書いたA君の家にも同じ様に和解による解決の申し出を受けていて他の保護者達と同じ様に拒否。
A君家族にとっては「いじめ加害者ではない事を証明する(冤罪である)」裁判に取って変わった事になります。
2015年~16年に掛けて裁判で争う事となっていますが、まさか「あだ名」で裁判を起こされるとは思ってもいなかったと思います。
11人の中には必ず「いじめの主犯格」がいて、自分が本当に悪いと感じていない子がいるのは確かなのですが、中には今回の様に本当にそれが理由で自殺に追い込んだのかが疑わしい場合もあります。
さらに分かった事として市の教育委員会が県の教育委員会に報告したのは「1年後に行われた事実公表の20日前」とされており、それまで全く他の機関に報告を挙げていなかった事になります。
現在の知事である村井嘉浩知事もこの件については非を認めており会見で謝罪する形となりました。(県教育委員会が知らなかったと言う事は知事も知らなかった事になる)
関係しているのは前仙台市長の奥村さんが絡んでいるのではと噂もありましたが、現在では退任しており現在の市長は「いじめ対策」に予算を増加する意向を示している郡(こおり)市長になっています。
以上の様に学校と教育委員会の対応をサラッとまとめてきましたが、今までのケースとは違い「遺族側からの公表しない旨の依頼」があった事が今回の隠蔽に繋がっていた事は明らかであると言えるでしょう。
先ほども書きましたが「遺族側の心境」としては真実を知りたいと思う事が当り前と思いますが、何故「地域の影響」を優先できたのかが疑問に感じる所です。
この不可解な要望がもとで真実の追究が遅れてしまい、少なくともA君にとっては冤罪である事を証明する為の長い戦いになったと推測出来ます。
痴漢冤罪事件といじめとの関係性
この段落では話の方向性がちょっとだけ変わりますが、最近の「痴漢事件」と「いじめ問題」との関係性について書いていきたいと思います。
日本で痴漢事件に関わらず刑事裁判で訴えられた場合の「有罪と判決されてしまう確率」ってどの位になるか知っていますか??
実は「99%」という確率で「有罪」となると言われています。
実に恐ろしい事ではありますが、女性の立場で考えると実に頼もしい数字と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
痴漢事件って良く言われる事なのですが「物的証拠」はあまり無いそうです(状況証拠で事実が固まってしまう)。
それでも被疑者は「有罪」になる確率は、先ほど書いた様にほとんどの場合が当てはまる事となっています。
男性側の意見に肩を持っている訳ではありませんが、痴漢と疑われて警察署に連れて行かれた時点でほぼ有罪になってしまうといっても過言では無いのです。
これっておかしくないですか!?
中には本当に何もしていない人がいて、この事実を逆手にとって利用している人間がいる事は事実です。(残りの1%に当たる部分で無罪を勝ち取った人もいます)
長々と書きましたがここからが本題で、いじめ問題にも似たような事があるの知っていますか??
この記事のテーマになっている「冤罪」について、加害者側にも冤罪で苦しんでいる方がいると言う事です。
何故関係の無い生徒まで加害者にされてしまうのか??
答えは本人の発言が他の人間に届かない事にあると私は考えています。
この「本人の発言が他の人間に届かない事」が痴漢冤罪事件といじめ問題に存在する共通点だと言う事になります。
具体的な内容は次の段落で詳しくまとめて行きたいと思います。
今回の自殺事件について、何故このような事が起きてしまったのか!?
先ほどの痴漢冤罪事件といじめ問題との共通点「本人の発言が他の人間に届かない事」について詳しくまとめて行きたいと思います。
まず、いじめ問題で自殺が多い事について言える事は、
『いじめがあってそれが原因で自殺してしまった』
この事実は紛れもなく真実です。
裁判でいくら因果関係が認められなくとも事実です。
問題なのは自殺と同時に真実は闇に隠れてしまう事。
真実を知っているのは「本人」で、いくら周りが証言しようとも本人の証言に勝る物はありません。
ウラを返せば他の人間が証言した内容に真実味を持たせるだけで、他の人間は「それ」を真実だと錯覚してしまうと言う事です。
本当に「その生徒」がやっているのか
本当に「その生徒」はやっていないのか
判断出来るのは「自殺してしまった生徒」だけです。
結果的に言うと今回の事件でA君が本当に加害生徒に当たるのかは私には分かりません。
「あだ名」でいじめと判断されてしまえば、クラスの生徒が萎縮してしまう事も事実でしょう。
「あだ名」で呼ばれて苦痛だったのか?
他に事実として挙げられていた被害内容と比べて苦痛だったのか?
そもそも「心の苦痛を感じている」事がいじめの定義ではあるけれど、苦痛を感じていない事でも端から見ればいじめと呼べる物もあるのではないか?
考えれば考えるほどこの問題は難しく、他人がどうこう決めつける事は出来ません。
しかし、現時点でいじめの有無は「自殺してしまった生徒」では無い他の人間が決定しています。
書けば書くほど難しくなりますが、簡潔に言えば公認で事実が曲げられてしまうと言う事になります。(最終決定権が裁判所にあるから余計に厄介)
ゆえに『福岡県で起きた教師いじめ冤罪事件』や『丸子実業のいじめ冤罪(?)事件』の様な被害者側と加害者側について賛否両論言われていたり、ネットで実名公表されたりするケースが後を絶たないのでしょう。
まとめ
今回は2014年に起きた宮城県仙台市立館中学校いじめ自殺事件についてまとめてきました。
今回犠牲になってしまった生徒はまだ中学1年生であどけなさが残る少年でした。
間違いの無いようにまとめますが、この少年が自殺してしまったのは間違いなく「いじめ」によるものです。
この記事で言いたいのは、時として間違った判断をしてしまう事も事実としてあると言う事。
そして今回の事件についても同じ事が言えるのかも知れないと言う事です。
A君はもしかすると学校との聞き取り(1年間の空白も問題)によって「加害者」にされてしまった可能性があるかもしれません。
時間が1年間空いてしまうとそれだけ事実は曖昧になってしまいます。
学校側と遺族の間で本当に「地域の方に迷惑を掛けるから非公開にして欲しい」と言われたのかも怪しい所です。
今回の事例では生徒が自殺してしまった事により事実解明が難しくなってしまいましたが、出来るだけ早めに弁護士に相談して事実解明をするべきでしょう。
「いじめ-ラボ」ではサイトを運営しつつ、いじめ解決に必要な事は何なのかを調べています。
「いじめ-ラボ」で少しでもいじめについて考える機会が増えたら嬉しいです!
長文になりましたが、最後まで読んで頂き本当にありがとうございました。
※参考文献 一覧
・週刊女性プライム 「仙台中1いじめ自殺、遺族が少年8人を提訴──「加害生徒」が訴え続ける謎と疑惑」
・地上の涙 「宮城県仙台市・市立館中学校いじめ自殺」
・教育資料庫 「仙台市立館中学校いじめ自殺事件」
コメント