丸子実業の裁判から学ぶ「いじめの対応」の本質とは

この記事を書いた人「はかせ」
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いつもご覧頂き本当にありがとうございます。
管理人の「はかせ」と申します。

この記事を書いている日(当時)は
8月31日で「8月31日の憂鬱」、
明日9月1日は「自殺の日」とも呼ばれますが

本当であれば季節が夏から秋に変わる
1年の折り返しの時期でもあります。

雨が続いて花が色づいたり、
蒸し暑いのが落ち着いて
夜空も綺麗に見える素敵な時期でもあるのに

さっき書いた様な呼ばれ方の方が
有名になってしまっています...。

 

今回は「教師と保護者」をテーマに
過去にあった判例を紹介しつつ、

これから私たち家族・親が
「いじめ」にどう向き合って行けば良いのか
実体験を元にまとめて行きたいと思います。

今回紹介するのは

「丸子実業バレー部」で起きた事件

の判例になります。

メディアの報道で知っている方も
多いと思いますが、

事件が起きてから様々な憶測が影響して
「保護者」を責める場面や
「学校」を責める場面が沢山あった事件です。

 

また、本まで出版されて
情報がごちゃごちゃになり

「何が本当の事なのか」ハッキリしないまま
個人情報まで流出してしまう事態になります。

本当の被害者である生徒は
残念ながら自殺してしまうのですが、

この丸子実業の判例から
「いじめの対応」について

実体験を交えながら
考えて行きたいと思います。

 

※この他にもこのサイトでは
私たち家族が子供の被害を通して

感じた事や学んだ事をベースにまとめていて
記事形式にして紹介しています。

「いじめ」が他人ごとでは無く
明日は我が子に降りかかる問題であり、

風化させない為にも実体験を基に
記事にまとめています。

 

もし、我が子が不登校になって
どう守って行けば良いのか
分からなくなった時にも、

あわせて読んで頂ければ
お役に立てる内容となっています。

実際に裁判を起こしたり、
弁護士や行政書士の方のお話を聞いたりと

解決策に向けて取り組んできた事の内容を
書いていますので
是非1度読んでみてください。

 

丸子実業で起きた事件の内容

2005年当時、丸子実業のバレー部で
1年生の生徒がいじめで自殺した事件を基に
記事を書かせて頂いています。

内容は主にバレー部の上級生からのいじめで、

  1. 発音が上手く出来ない(吃音)事でからかわれる
  2. ハンガーで頭を叩かれる

これらの内容が日常的に行われてていた事が
裁判で明らかになっています。

また上記のいじめが原因(?)として不登校、
診断で「うつ病」とも言われており

学校側の対応と加害者生徒の行為にについて
詳しく調べられる事になりました。

 

この事実に対し丸子実業側は
当然「事実無根」と否定。

生徒が自殺した2日後に記者会見を開き、
いじめの事実は無い事を説明したようです。

当時のマスコミは遺族や
学校の対応について取材を進め、

  1. 「お母さんがねた(寝た)ので死にます」のメモに対する丸子実業側の見解
  2. 取材の時に校長が失言、全国から抗議を受ける
  3. 遺族側(母親)は実名を公表、顔も出してインタビューに答える

といった様に核心に迫る取材をしてた様です。

最後には丸子実業側と加害者側、
被害者側の折り合いが付かず、

2005年の12月に被害者生徒が自殺して
約3ヶ月後に丸子実業側と
加害者家族側(バレー部員)を相手取り

損害賠償を求める裁判を起こす事になります。

しかし、さらに約7ヶ月後に丸子実業側と
バレー部員の家族約30人近くて
「遺族側」を相手取り

「名誉毀損に対する損害賠償請求訴訟」を
訴えてしまいます。

 

結果、被害者側の訴えるいじめについては
ほとんど認められず、

丸子実業側とバレー部関係者側の訴えが
認められる事となり、

「遺族側の保護者」はモンスターペアレントと
言われるようになってしまいました。

後に遺族側は控訴を取り下げ
被害生徒が自殺して5年後に判決は確定し、

事実上丸子実業で起ったいじめ自殺事件は
終息する事になります。

 

丸子実業側の対応

先ほどまとめたように
生徒が自殺してから2日後に
記者会見を開き、

いじめは無かったと言う事と
保護者会での説明を約束。

いじめは無かったとし、自殺の原因は
「お母さんがねたから死にます」では無く

「お母さんがやだから(嫌だから)死にます」
であって

自殺の原因はあくまで家族の問題として
真っ向から反論。

その後のメディアからのインタビューでは、

「からかい(上手く発音する事が出来ない事に対する)がいじめに該当するのなら、そこら辺で起きているからかいが全ていじめになってしまう」

と発言し全国の保護者から批判を受ける
アクシデントが発生しました。

実際に被害に遭った子が
いじめと感じているのであれば
いじめであると言っていたのにも関わらず

このように発言する校長がいる丸子実業は
ちょっと危険管理が足りない状態であると
感じざるを得ません。

 

また、保護者との話し合いの最中に
バレー部の顧問から罵声を受けたとされるが
実際の所は不明。

さらに不登校になっている被害生徒に対して
「登校するように何度も要請をかけた事」も
明らかになっています。

ただ、丸子実業の対応で疑問が残るのは、

被害者が被害を受けて自殺するまでに
「サイン」などに気づく事は
出来なかったのか

と言う事です。

この事は保護者側にも言える事なのですが、
被害生徒は何度か「家出」をしている事
判明しており、

丸子実業側にも連絡が行っている様です。

 

このサイトでは現在、
いじめで苦しんでいる家族などから
「いじめの実態」を調査していますが、

被害者側で生徒が「家出」しているケースは
ありません。

家に何かしらの問題があるから
「家に居たくない」から家を出るのであって、

いじめで不登校になっている場合なら尚のこと
安全地帯である家を離れるケースは
あまり見られません。

この自殺した生徒の保護者の場合、
世間で言われている様な
モンスターペアレントかも知れませんし

学校側やメディアが「そのように」仕向けた
可能性だって否定は出来ません。

 

いじめを受けて家出もしてしまう状態なのに
保護者も丸子実業側も

「何かしらのサイン」を見落としていた事には
変わりはなく、

私たち保護者側と学校側の「溝」がジャマして
正確な話し合いが出来ず

最終的に被害生徒を自殺に追い込んだと
私は思います。

ではここままでの流れを
大まかに書いてきましたが、

実際に裁判でどのような判断をしたのかを
次の段落でまとめて行きたいと思います。

 

裁判での判断

今回の丸子実業で起った事件に対する裁判は
2通り行われています。

1つは遺族側が丸子実業とバレー部の生徒を
相手取った裁判で、

もう1つは逆に丸子実業とバレー部関係者が
遺族を訴えてしまった裁判の2つです。

最初の遺族側が丸子実業と
バレー部の生徒を訴えた裁判では
損害賠償約1億3000万を求める訴訟となり

  • 「いじめがあったのか」
  • 「丸子実業の対応に問題は無かったのか」

が争われる内容となりました。

長野地方裁判所はこの事件に対し、
「ハンガーで頭を叩いた事については
1万円の損害賠償を認める」とし、

丸子実業側の対応については
安全配慮義務違反は認められませんでした。

特にに被害生徒は「不登校」のほか
「うつ」に掛かっていた事が
医師の診断により明らかになっていましたが、

「生徒に学校へ登校させる様に催促する事は
一概に生徒を圧迫させる様な事にはならない」

として責任を否定する判決をしています。

 

高校生である被害生徒に対する登校要請は、
出席日数不足による留年が潜んでいるので
無理にでも要請をかけたのだと思いますが、

教師なら不登校になっている生徒の心情を
慮ってナンボだと思いますので個人的には
「他に対応は無かったのかな」と思います。

 

この判決を受けて、
今度は丸子実業バレー部関係者の
約30人あまりが

遺族に対して約3000万の
損害賠償請求を起こしています。

学校関係者がこぞって
被害者側を訴えると言う事は、

教育評論家の尾木直樹先生も仰っていましたが
「本当にあってはならない事」です。

判決は指導目的でハンガーで叩いた事は
不当としつつ、

不登校やうつにまで
発展させるほどの効力は無い

遺族側の意見を否定し、

丸子実業バレー部関係者約30人中23人に
1人当たり5千~5万円の

計34万円の損害賠償請求を認める判決を
してしまいます。

事態はここで終わらず、
今度は丸子実業の校長が遺族と
遺族側弁護士を相手取り

名誉毀損に対する損害賠償請求600万円
提訴してきます。

この判決でも丸子実業の校長の言い分が
認められる内容になり、

約165万円の損害賠償請求を認める
形になりました。

 

遺族側から学校側へ訴える事は
よくありますが、

今回の丸子実業の事例の様に
集団で遺族側を訴える事例は例に無く、
異常な状態であったと感じています。

あるメディアは
「いじめ裁判に対する正当な判決」と
擁護している所もあったり、

またあるメディアでは
「史上最悪の判決」と批判する所もあり

学校と保護者の関係性を考える上で
よく扱われるケースでもあります。

実際にこのサイトでも
記事にまとめさせて頂いたのですが、

実際に我が子がいじめに遭った側から
意見を次の段落で書かせて頂きます。

 

「裁判を起こしてみた立場から」丸子実業の事例を見て

この判例は「いじめ問題」を題材に
記事を書いたりまとめたりする時
よく見るものなのですが、

「自殺してしまった生徒の事」という
肝心な事を蔑ろにしていて、

これからの学校と保護者の関わり合いを
改善する為に必要な判例
だと
私は思っています。

書いてしまえば簡単で当たり前の事なのですが
この当り前の事ですら裁判になってしまえば

大人であっても学校の先生であっても
誰も気づく事が出来ず、
約6年近く終息までに掛かっています。

誰も自殺してしまった生徒の事を考えず
遺族側は学校の対応に対する損害賠償について

丸子実業は「自分たちの面子」を盾に
損害賠償を起こし、
収拾が付かない事になっています。

 

この判例に限らず、
これから裁判を起こそうと考えている方には
相談のメールなどでお話をしていますが、

あくまで裁判は損害賠償を認めるかどうかしか
判断しません。

たとえ裁判でいじめが認められても
学校側の責任を認めるだけで

「対応をこうしろ」という
判決にはなっていません。

だからいじめ問題で裁判を起こすという事は、
時間も掛かる上に

お金でしか解決出来ないツールでしかないと
いう事になります。

中には裁判で認められたから学校の対応も
キチンと行われる様になったという事も
実際にあります。

しかし、裁判で争う場合は
「事後処理」になりますので

「裁判で全て解決するわけでは無い事」を
この記事ではお伝えしたいと
私は考えています。

 

この丸子実業のケースで言えば、

  1. 自殺した生徒が前に「家出」をしている事から、家族内で問題を抱えていたと推測出来るので児童相談所と連携して問題解決出来なかったのか
  2. 普段の授業内容でおかしな点は無かったのか
  3. 部活動でハンガーで頭を叩く事が判明している(他の生徒の保護者から「ウチはもっと酷い事やられているから」と言われている)ので、暴力が日常的に行われていた事が容易に推測できる)
  4. 文部省はじめ、メディア等でキチンとした事実確認の元で報道は出来なかったのか

などが考えられると思います。

自殺した生徒は本当は何がしたかったのか
大人にどうして欲しかったのか

この真相を解明しない限り、
本当の解決は見えてこないと私は思います。

もし自殺した生徒が生きていれば
30代~40代くらいになって
家庭を持っていたのかも知れないし、

仕事が楽しく感じる事も
あったのかもしれないですよね。

この生徒を自殺に追い込んでしまったのは
紛れもなく「私たち大人」です。

裁判で学校と保護者がお金をむしり取る様な
争いにならない様に対応をしていく事が
我々の使命なのではないかと思います。

 

丸子実業の裁判から学ぶ「いじめの対応」の本質とは まとめ

今回は「教師と保護者」をテーマに
過去にあった判例を紹介しつつ、

これから私たち家族が「いじめ」に対して
どう向き合って行けば良いのかを
実体験を元にまとめてきました。

今回事例に挙げさせてもらった内容は
丸子実業いじめ自殺事件です。

書籍にもまとめられている
実際に起きたいじめ事件です。

今回の判例では遺族側の主張を
前面的に否定し、

丸子実業側とバレー部関係者の主張を
認める内容となっており

巷では「史上最悪の判決」とも
言われております。

遺族側の母親にも
何かしら問題があった様に書かれていますが、

我が子を失ってしまった
被害者である事は変わらないので

少なくとも丸子実業側が遺族に
損害賠償を請求するような事は
あってはならない

と私は思います。

それと併せて丸子実の校長が放った言葉、

「今回のからかいがいじめというのであれば
全ての事がいじめになってしまう」

という発言は教育者であれば
考え直した方が良い発言である事は
確実でしょう。

こんな事ではいつまで経っても
自殺する生徒は減らないし、

学校の先生を頼っている子たちに
申し訳が立たないと思います。

私たち保護者ももう少し「本質」は何なのかを
自問自答しながら毅然とした対応を
学校側にしていく様にしましょう!!

 

もし、今現在いじめを受けて
誰にも相談できずに
1人で抱え込んでいるのなら

「いじめ-ラボ」に一度お話を
聞かせてもらえませんか!?

我が子が不登校になった時の話や
そこから学校へ復帰した経緯など、

記事には書いていない事も
話をさせてもらっています。

私たちが経験した内容が
少しでもあなたのお役に立てれば幸いです。

 

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この記事で書いている内容は
私たちの子が実際に受けたいじめを
ベースにまとめています。

さらにこの記事を読んでいる
あなたをはじめ、

今現在いじめで悩んでいる方々に
少しでもお役に立てれる様に
日々勉強をしています。

そこで今回は記事の紹介だけで無く
これからどうやって
この問題と向き合って行くか、

分からない事などについて、
私たち家族が経験した事を中心に

「いじめ-ラボ」の相談コーナー
随時相談を受け付けております。

  • 我が子にいじめが発覚して、これからどうして良いのか分からない
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など、具体的な内容について
相談を受け付けていますので、

私たち家族の経験が
少しでもお役に立てたら嬉しいです。

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長文になりましたが、
最後まで読んで頂き
本当にありがとうございました。

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