いじめで転校しても裁判で費用を「1円」も取り戻せなかった理由

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いつもご覧頂きありがとうございます。
いじめーラボの管理人「はかせ」と申します。

今回の記事は「転校」というキーワードで

「転校の費用を裁判で取れなかったケース」

をまとめており、

今現在の「我が子のいじめの状況」と比較し
解決に向かうためには何が必要なのか
参考にして頂ければと思います。

 

学校でいじめられた時に頼れる友達もなく
クラスで独りぼっちで反抗する事も出来ず、
ただ独りで耐えなければなりません。

学校にいじめの調査を依頼しても
帰ってくる返事は

「いじめは無かった」とか
「よくある友達同士の問題」で済まされて
まともに対応すらしてくれない所ばかり。

  • 「もうこんなクラス(学校)なんて嫌だ....。」
  • 「先生に言っても信用出来ない」

被害を受けたことがある子は
誰しもが一度は「転校」を
考えた事があると思います。

しかし、転校には経済的な負担もあるし
気軽に出来るものでは無いハズ...。

 

いじめを受けてしまうと
「内」にも「外」にも逃げ場が無くなり、

自分の親にも助けを呼ぶことが出来ずに
苦しむケースがほとんどになります。

今回の記事はそんないじめを原因として
「転校」を考えている方に、

「いじめが原因で転校したのに裁判で費用を取れなかったケース」

というテーマでまとめて

  • いじめの内容はどんなものだったのか!?
  • 裁判で費用を請求する事が出来なかったのは何故か!?

を詳しく見ていきたいと思います。

参考までに、今回の記事とは逆の
「費用を取り戻せた判例」について
まとめた記事を紹介させて頂きます。

※裁判で転校に掛かった費用を取り戻せた判例と「転校」に関する記事はコチラ!!

いじめで転校した費用を裁判で取り戻せた判例まとめ

いじめが酷くて転校したい!転校で失敗しないポイントまとめ

※この他にもこのサイトでは
私たち家族が子供の被害を通して

感じた事や学んだ事をベースにまとめて
記事形式にして紹介しています。

「いじめ」が他人ごとでは無く
明日は我が子に降りかかる問題であり、

風化させない為にも実体験を基に
記事にまとめています。

もし、我が子が不登校になって
どう守って行けば良いのか
分からなくなった時にも、

あわせて読んで頂ければ
お役に立てる内容となっています。

実際に裁判を起こしたり、
弁護士や行政書士の方のお話を聞いたりと

解決策に向けて取り組んできた事の内容を
書いてますので是非1度読んでみてください。

※いじめ問題についてまとめたサイトはコチラ!!

いじめ-ラボ

 

どんないじめが行われたのか!?

今回紹介するいじめの事件は、
平成19年に京都市の中学校で起きた
内容で判例を元にまとめさせて頂いています。

中学2年生の時に起こったこの問題は、
最終的に被害者の子が
他校に転校してしまいます。

そして今回判明している加害者は1人だけ。

仮に加害者をA君として
被害者をB君としましょう。

その時の具体的な内容は、

  1. 「肩パン」などの暴力
  2. 性的な嫌がらせ(悪口やからかい)
  3. 給食の一部を横取り
  4. 合唱コンクールの練習中にからかう

などの内容になっています。

これらの内容を詳しく見ていくと
今回のいじめは普段の生活から

加害生徒が被害生徒にからかいを行いつつ
逆らわない事を良いことに
暴行へとエスカレートするケースの様です。

こちらの『費用を取り戻せたケース』と
比べてみると、

自宅まで脅しに来たりストーカーまがいの
行為をする様な内容は無く

子供の心身や財産を害する
度合いは比較的小さい様に思えます。

しかしその度合いが小さいといっても
「子供の受けた心の傷」は
その子だけにしか分からないものなので

この事だけで転校する時の費用が
取り戻せなかったとは言えません。

何より被害内容にあるように
「性的な嫌がらせ」が行われている事は

非常に悪質ないじめと捉えて
差し支えないでしょう。

 

この「性的な嫌がらせ」があるいじめは
中学校から高校生の間で
多く見られる被害内容で、

スマホが普及する事と併せて
「外部に写真など流される」と言った様に

回復困難な被害を被る可能性が
非常に高い事が特徴です。

また、合唱コンクールなどの
学校行事の練習でいじめを受けると
(もしくはそれに近いもの)

被害生徒が出来ない事や
主張出来ない事を名目に

いじめが正当化されてしまう事も
回復困難な状況になる原因でもあります。

 

もし、このいじめが現在進行形の場合には
いち早く被害状況を把握し

学校と加害生徒の保護者との話し合いで
改善策をとるべきでしょう。

この事件当時は
まだ「いじめ防止対策推進法」が
制定されていないので

転校措置でも「学区外転校」の手続きは
柔軟に対応されていません。

現在では100%ではありませんが
学校との話し合いで「学区外転校」を視野に

対応を進める事も出来るはずですので
学校に問い合わせてみると良いでしょう。

 

裁判所が下した判決内容

今回、裁判を起こして
被害者側が提示した請求内容は、

  1. Bに対してAとその保護者と京都市は連帯して550万の損害を賠償する
  2. Bの保護者に対してAとその保護者と京都市は連帯して565万の損害を賠償する
  3. 訴訟費用は被告側が負担する

※2番目の赤文字の請求が
「転校に掛かった費用」の請求になります。

そして、実際に認められた請求は...

Bに対してAは55万円の損害を賠償する

加害生徒の被害生徒への
損害賠償請求のみとなっています。

Bに対するAの賠償額が
10分の1にまで減額されていますが
この原因は一体何なのか?

転校する為に約500万も
掛かっていますが
(転校は本来こんなに掛からないはず...)

1円も賠償金の請求が認められませんでした。

 

ここで注目したいポイントは
請求内容で最初、
Aとその保護者や京都市となっているのですが

判決で出たのは「Aにだけ」
請求が下された事
がポイントです。

簡単に言えば「子供であるA」にのみに
請求の義務があり、

その保護者には
原則支払の義務はありません。

供の財産が無ければ
泣き寝入りする場合もあります。

大半は保護者の良心で
払ってもらえる場合が多いですが、

中にはこの事を理由に逃げる親もいると
実際に私たちの裁判を担当している
弁護士の方が言っていました。

もし加害生徒の保護者にも
責任を追及したいのであれば

保護者に「責任」が
認められなければなりません。

 

では、次に裁判で転校に掛かった費用を
「1円も」取れなかった原因
詳しくまとめて行きたいと思います!

 

裁判で転校に掛かった費用を「1円」も取れなかった理由

では、京都市の中学校で行われた
いじめが原因で転校したのに

費用を「1円」たりとも
取り戻せなかった理由を
まとめていきたいと思います。

ここでまとめた内容は、
今現在いじめで転校する事を
考えているのであれば

最低限守らなければいけない
ルールになると思います。

決して独りよがりにならず、
たとえ怒り心頭でも

「聞く耳」を持って学校と
話し合いする覚悟を持ちましょう!!

原因 その1 学校の対応

今回の京都市の中学校で起こった問題で、
学校の対応はどんな対応だったのか?

問題は無かったのか?
判例を元に調べた所...

  1. AとBが給食でもみ合い、もめたときには担任の先生がしっかりと仲裁に入る
  2. Aの保護者とも何度か話し合いをしてAに対する指導方針を一緒に考えていた
  3. Aは感情の起伏が激しいと小学校時代の先生から引き継ぎがあり、対応には細心の注意を払って対応をしていた。
  4. Aが他の生徒と問題が起きたときには、その都度一緒に相手の家まで行って謝る
  5. B側家族が転校の手続きをするときには、Bの通学方法や今後就学する中学校との引き継ぎなどB側家族の希望する内容を最後まで考慮していた

など、被害にあったBの立場を十分に考えて
「転校」する学校を提示している事や

今回の問題に対して対策を取っている事が
裁判でも高い評価を
得ている事が分かりました。

また、今回のいじめによる
転校のポイントとして

被害者側で転校する学校を
決める事が出来るのかが
気になるポイントだと思いますが、

基本的には学校側で候補を挙げて
転校先を決める事

が原則になっています。

 

また同様に、「就学校指定変更」の場合
市町村や県の教育委員会が受け付けて

学校との会議のもと
「就学する学校」を学校側で決めます。

なので、最悪はその指示に
従わなければならない
場合も出てきます。
(希望も通る時もあります)

今回の費用が「1円」も取れなかった原因は

被害者家族の方で学校側が決めた学校を
一方的に拒否して希望した学校に通うために
引っ越しをした為

裁判で認められなかった様です。

勝手に転校して勝手に被害を受けたと
裁判で言っても、
誰も認めてくれないと言うわけです。

原因 その2 被害者側家族の対応

今回の転校で費用が取れなかったケースで
特徴的な事は「被害者側家族の対応」が
非常に悪かった言う事です。

被害者側の家族の対応をまとめると...

  1. 一方的に「自分たちが被害者」として、話し合いに応じない
  2. 先生の対応に非協力的
  3. 学校と話し合いをしないまま、行動(転校)してしまう
  4. 担任と一緒に謝りにきた生徒に激怒

など、分からなくもないですが
「問題を解決」していくのに非協力的な事が
裁判で悪影響
になっていたようです。

学校の不備を裁判で争うのであれば、
「適正な方法」で話し合いなどの対応を
進めるしか無いでしょう。

原因 その3 いじめの内容

冒頭で今回の京都市の中学校で起きた
いじめの内容をまとめてみました。

もう一度振り返って見ると、

  1. 「肩パン」などの暴力
  2. 性的な嫌がらせ(悪口やからかい)
  3. 給食の一部を横取り
  4. 合唱コンクールの練習中にからかう

などで、当時の裁判所の判断では
被害者Bの「心身」や「財産」を侵害し

また守る為に緊急な状況であるとは
必ずしも言えない状況であったと
判断されたようです。

しかし今現在、侵害の状況は
「いじめ防止対策推進法」にもある様に

「実際に被害を受けた子」の立場で
決めるものとされています。

なので一概には言えませんが、
コミュニケーション系の内容で
転校費用を請求する場合には

「学区外転校を認めなかった理由」や
「学校の問題に対する対応」など
総合的に判断する事となりそうです。

いじめで「転校」する事が
認められているとは言え、

何でもかでも転校出来る訳では無く
学校との対応ありきで決まっていきます。

原因 その4 加害生徒の親の対応

ここではちょっと違う視点で
「加害生徒の親」サイドから
この問題を見ていきます。

世間一般での「加害生徒の親」の対応は、
一言で言えば

「非常に悪い」「事実を認めない」といった
対応がほとんどでしょう。

もし、この親の対応が
「キチンとした対応」だったのなら
どうなるのか!?

Aには母親のCがいて、
今回の問題では学校との話し合いを通して

「Aが少しでも学校生活になじむ」様に
改善策を行ってきたようです。

 

裁判でいじめっ子の親に
「責任」が認められる為には

学校からの連絡があったのにも関わらず
対応
しない事
が重要になる様で、

今回の裁判では被害者側の対応と
加害者側の対応を見比べたときに

「被害者側の対応」が見劣りしてしまった為に
加害者側の「責任」が認められなかった事が
要因の一つになっていた様です。

一時の感情に流されず
年単位で解決にまで掛かる裁判で、

本当に加害者側を懲らしめる
覚悟が無ければ

加害生徒側に責任を
認めさせる事は出来ないでしょう。

 

いじめで転校しても裁判で費用を「1円」も取り戻せなかった理由 まとめ

今回は「転校」というキーワードで

いじめが原因で転校して裁判で相手から
1円も取れなかった理由
をまとめてきました。

前回の『転校費用を取り戻せたケース』も
合せて読んで頂くと
分かりやすい内容となっております。

今回題材にさせてもらったのは
平成19年に起きた

京都市の中学校の
「いじめ転校の裁判」になります。

実際にいじめられた内容が
「子供の心身や財産」を侵害する内容とは違い

人間関係のいざこざが原因の
コミュニケーション系が主体のいじめです。

 

裁判で転校に掛かった費用が取れなかった原因は

  1. 被害者の親が話しを受け入れる事をしなかった事
  2. 学校側の要件を無視して勝手に転校してしまった事
  3. 学校や加害者側の家族の対応が必ずしも悪かったとは言えない事

この3つが影響していて最終的に
「裁判で負ける」に至ったと言えます。

確かに、いじめは卑劣で
自分の子供が被害に遭ってしまったら

「感情的になるな」という方が
無理な話だと思います。

ただ、過去の判例を調べて見ると

損害賠償のキーポイントは
「相手に故意や過失」が認められるのか

が焦点になってきます。

この問題の解決を目指すのであれば
「自分たちの過失」を見せつける様な
真似は絶対に避けるべきです。

今まで自分たちが受けたダメージを
加害者側に与えて本当に反省してもらう事が

「裁判」で争う事の目的になりますので、
感情任せに対応してしまうと

今回の判例の様に認められない状況に
なるかも知れません。

 

今回の判例をもとに
「感情的になる事」のデメリットも
詳しくまとめてきました。

「いじめ-ラボ」では
「我が子のいじめ」を元に
記事を更新していますので、

他の記事も良かったら読んでみてくださいね!

 

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この記事で書いている内容は
私たちの子が実際に受けたいじめを
ベースにまとめています。

さらにこの記事を読んでいる
あなたをはじめ、

今現在いじめで悩んでいる方々に
少しでもお役に立てれる様に
日々勉強をしています。

そこで今回は記事の紹介だけで無く
これからどうやって
この問題と向き合って行くか、

分からない事などについて、
私たち家族が経験した事を中心に

「いじめ-ラボ」の相談コーナー
随時相談を受け付けております。

  • 我が子にいじめが発覚して、これからどうして良いのか分からない
  • 学校がキチンと対応してくれなくて不安だ...
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など、具体的な内容について
相談を受け付けていますので、

私たち家族の経験が
少しでもお役に立てたら嬉しいです。

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長文になりましたが、
最後まで読んで頂き
本当にありがとうございました。

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