いつもご覧頂きありがとうございます。
管理人の「はかせ」と申します。
今回の記事の内容は1994年に起きた
愛知県西尾市で起きた
中学生いじめ自殺事件の内容を
まとめた記事となっています。
私「はかせ」はこの当時小学校6年生で、
この事件についての報道をみて
「いじめ」という問題を考えた
キッカケとも言える事件です。
この事件を一言で言うと
「人間が人間をいかに残酷に殺すか」について
深く考えさせらる事件です。
私の記憶の限りだと
この事件がキッカケになって
現在でも人気の週間少年ジャンプで
「いじめ」を題材にした漫画も掲載される等、
世間に与えた衝撃は
凄まじいものであった様です。
この記事を書いている2018年現在で
今回の事件で犠牲となった
大河内君は生きていれは、
私と同じ世代、「働き盛り」で家族もいて
「幸せ」を感じる時期でもあったでしょう。
この事件の8年前に
「中野富士見中学校いじめ自殺事件」があって
今回の大河内君の事件よりも
報道が過熱していたのですが、
その事件から「学ぶ事が出来なかった事」が
何より私たち世代が犯した罪は
大きいと言えるのでは無いでしょうか。
今回の記事では当時の事件を振り返って、
- いじめの内容
- 当時の学校の対応
以上2つをピックアップして
まとめて行きたいと思います。
※この他にもこのサイトでは
私たち家族が子供の被害を通して
感じた事や学んだ事をベースにまとめていて
記事形式にして紹介しています。
「いじめ」が他人ごとでは無く
明日は我が子に降りかかる問題であり、
風化させない為にも実体験を基に
記事にまとめています。
もし、我が子が不登校になって
どう守って行けば良いのか
分からなくなった時にも、
あわせて読んで頂ければ
お役に立てる内容となっています。
実際に裁判を起こしたり、
弁護士や行政書士の方のお話を聞いたりと
解決策に向けて取り組んできた事の内容を
書いていますので
是非1度読んでみてください。
※いじめ問題と過去の裁判や判例についてまとめた記事はコチラ!!
大河内君が受けたいじめ被害の内容
ここでは1994年に起きた
愛知県西尾市いじめ自殺事件の内容について
まとめていこうと思います。
事件当時、大河内君は
中学2年生(3人兄弟の次男)で
周りから優しく真面目な好青年と評されていて
一見「周りから好かれるタイプ」に感じる
大河内君なのですが、
小学校からいじめと思われる事が
起きていたとされています。
今回の事件の主犯とされる生徒達は
小学校から仲の良かった数人で
ほんの些細な事から仲良しグループの中で
「力の上下関係」が出来てしまい、
そこから自殺してしまう中学校2年生まで
日常的にいじめが行われてたとされています。
(しかも同じクラスメイト)
今回のいじめでは主に
- 暴力
- 金銭の強要(カツアゲ)
- 自分では恥ずかしくて出来ない事
(多分、性的な内容で強制されたかも)
がメインとされており、
制服がグチャグチャにされたり
顔にアザが残る時もあった様です。
大河内君が主犯格の生徒達の
「いいなり」になってしまったキッカケは
「川で溺れさせられた事」が原因で
加害生徒に逆らえない状況に
なってしまったと遺書で記しています。
水深5m以上の所で無理矢理顔を突っ込まれ
ギリギリで引き上げの繰り返しで
「いいなり」になるしか
方法が無かったとも書かれています。
特に今回のいじめでは
「金銭の要求(カツアゲ)」が
最も被害が大きく、
月に数万円もの金額を脅し取られていた事が
明らかになっています。(総額100万以上)
また、大河内君の家へ遊びに行くと
家の中を漁って金品を盗んだり
現金を盗んだりしていた事が
後に判明しています。
さらに自殺後に見つかった遺書とは別に
家族からお金を工面した証拠として
「借用書」と称したメモが見つかっており、
いじめ加害生徒が大河内君に
執拗に金銭を要求していた事が窺えます。
先ほど紹介した遺書には
お小遣いから床屋代を工面して
渡していた事が書かれているのですが、
子供に数万円を工面する能力なんて
ありませんので、
おばあちゃんの財布や父親の財布から
抜き取った事なども細かく書かれていました。
ここでは大河内君が受けた
いじめ被害の内容をまとめてみましたが、
端から見れば、
「断ればこんな事に
ならなかったのでは無いのか?」
と思う方が多いと思います。
事実、この後にまとめる学校の対応も
ある程度大河内君の様子変化に
気が付いている節がありますので
相談だけでも行えば
結果は変わっていたのかも知れません。
しかし実際に生徒の目線で考えて見ると
「いじめ問題」で一番恐ろしいのは「報復」で
関わった事で自分自身が
「被害者」になってしまう為
容易に助け船を出すのが
困難である場合がほとんどです。
今回の大河内君の場合も
主犯格の他に加害者と思われる生徒
(大河内君を呼びに行く役)がいて、
もし大河内君が捕まらない場合には
この役の子がいじめられる事となり
グループ内でもカースト制が
出来上がってたと推測されています。
主犯グループの何人かを除けば
全員「いじめられる立場」にあった為、
大河内君は「生け贄」になったものとも
判断できます。
逃げられないように、
見つからないように、
後も残さず...。
今回のいじめ自殺を受けての学校の対応
当時大河内君のクラスを受け持っていた先生は
20代の女性の教師で、
大河内君の様子の変化に
薄々気づいていた節が見受けられました。
その理由として考えられるものは
「成績の下落」。
大河内君はいじめを受けながらも
主犯格グループから抜け出すことが出来ず、
不本意ながらも主犯格の言いなりに
なるしか無い状態で
授業もまともに受ける事も出来ずに
成績が一気に落ち、
主犯格に呼び出されれば夜中でも
行かなければならない事もあった様です。
大河内君の様子の変化に
教師は何回か声を掛けるけれど
本人は「大丈夫」の一言だけしか言えず、
今で言う「アンケート調査」は
まだ行われていない為に
事態の把握は「本人の一言」で行うしか
方法がありませんでした。
今も昔も誰かに相談して
真相が表に出てしまったら
報復が一番の恐怖ですから、
大河内君自身もそう簡単に
相談出来る環境では無かったハズ。
実はこの女性教師も主犯格のグループに
目を付けられていたようで
大河内君の様な酷い内容ではありませんが
一種の学級崩壊を起こしていた事が判明し、
クラスを統率する事は
至難の業だったと推測されます。
大河内君のいじめについて
歯止めが効かなくなってしまった事には
教師自身もいじめに遭っていた事で
「相談」が上手くされずに
孤立してしまった事が考えられるでしょう。
その後も三者面談や電話での話し合いなど、
大河内君の学校生活の変化を逐一確認しながら
様子の変化を調べて言っても
真相は明らかになる事はありませんでした。
ただ、今現在起きている学校の対応を比べると
「教師が生徒の異変に気づく事」が
早い段階で出来たのではと考えられます。
心理カウンセリングや
何度も生徒に事情を確認したり、
生徒に寄り添って対応を進めている感じが
今の学校の対応と比べると感じる事が多いです。
簡単に言えば
- 「いじめが認識出来なかった」
- 「いじめは無かった」
と簡単に言う今の学校とは違い、
出来る事はやったが生徒を守る事が
出来なかったといった感じで
今の学校に比べれば
動いてくれた印象を受けます。
しかし、会見の時には
自殺した原因を「いじめ」ではなく
「父親との関係で悩んでいる事」が
原因として自殺との関係性を否定。
担任をはじめ、早期に大河内君のいじめを
把握出来なかった事で
懲戒処分(訓告、減給など)を受けています。
20年以上経った現在の「それぞれの歩んだ道」
今回の大河内君の自殺事件の後、
この記事を書いている2018年現在で
24年の月日が経っています。
当時いじめ主犯格とされた生徒は4人で、
3人は少年院へ送致され
1人は児童相談所へ入所処分となっています。
その後何も問題を起こさなければ
普通に出所し、社会に溶け込んでいて
過去の事は「無かった事」に
なっていると思います。
今頃は30代後半になっていて、
もしかしたら家族を築いて
子供もいるかも知れません。
実際に「いじめ被害者」は後遺症に苦しむか
自殺するかの2択しか残っていないのに、
「加害者側は」今でものうのうと
生活している現実が
「ここ」に存在しています。
これを読んでいる方はどう思いますか?
またこの事件後、大河内君の父親は
第2の大河内君を作らないように、
全国のいじめに悩んでいる子を集めて
家に泊めたり相談を手紙で行ったりと
精力的に活動している様子が
ドキュメンタリー番組として
テレビで流れてた時もあります。
「親としてもっとしてあげられる事は
あったのではないか...。」
24年間ずっと頭から離れることは
無かったと思いますし、
ずっと「息子」に許しを
乞うていたのかも知れません。
結局被害を受けた側は
呪縛から解放されるには相応の時間を要し、
加害者は「過去の事」として
さっさと無かった事にしたがる事に
変化はありません。
その証拠にこれだけの事件が
あったのにも関わらずいじめは無くならず
自殺も減りません。
実際に私も子供のいじめを
裁判で争った経緯をもとに
記事を書いていますが、
加害者側の家族の反省の色は
「全く」ありません。
我が子は何とか生きていますが、
今回の事件と内容はほぼ同じで
一歩間違っていたら
自殺を選んでいたかも知れません。
現実をほんの少しだけでも良いから「変える」為に
今回の大河内君のいじめ事件は
1994年に起きており、
この記事を書いている私は
当時小学校6年生でした。
この記事を書いている2018年現在
私は30代後半となりましたので、
少なくとも私たち世代よりも
若い世代の方はこの事件の存在すら
知らないかもしれません。
これだけのいじめ事件を知らないと言う事は、
同じ様な事件が起きてしまう
危険性を表している事になります。
実際に子供と接する学校関係者や
私たち親の立場でも
「知らない」人は多くなるので、
今回の事件に限った事では無く
「事件の風化」はこれから
加速していくでしょう。
- 当時の加害者の様子
- 学校の様子
- 被害者は何を訴えていたのか
- 何を要望していたのか
- 何が認められたのか
- 何が認められなかったのか
これから私たち「親の立場」が出来る事は
「過去に起った事件を知る事」だと
私は考えています。
残念ながら自殺してしまった子が
本当は何を望んでいたのかを
少しでも考える事で、
この悲劇の連鎖を断ち切る事が
出来るかもしれません。
学校関係者であれば「命の授業」として
生徒に痛ましい事件の内容を
知らせる事で、
自分の命を考えるキッカケになるでしょう。
実際には弁護士の方が教員として
活動しているケースもあり
(スクールローヤー)、
生徒に法的側面からいじめなどの
学校問題について教えている
学校もあります。
(スクールローヤーについて詳しくは『教師によるいじめや児童に対する性的虐待裁判「浦安事件」について』でまとめています。)
このサイトを始め、
いろいろなメディアで
「いじめ」について情報をまとめています。
これらを通して
子供の「いじめ」について考える事が、
これからの学校問題を
少しでもなくす事に繋がるのでは無いかと
私は考えています。
まとめ
今回の記事は
1994年に起きた
愛知県西尾市中学生いじめ自殺事件
についてまとめてきました。
- 被害生徒が受けたいじめの内容
- 学校の対応について
この2つのポイントをまとめながら、
「今現在で私たちが出来る事」を
実体験を交えながら
これから成すべき事について
書いてきました。
(個人的な意見かもしれませんが)
中学校で起きたいじめや犯罪は
法律で軽度の懲罰で済んでしまいます。
その後出所して社会に出て
「普通の人」として生活出来てしまいますし
過去の事として何も語ろうとしないでしょう。
その反面、被害を受けた生徒は
大人になる前に「自殺」を選び
何も出来ずに死んでいってしまいます。
残された私たちが出来る事は
ほんの少しでも良いから
「事件について考える事」だったり、
これからの時代は「法的知識」についても
知っておいた方が良いのかもしれません。
例えば裁判になったときには
「証拠」が無ければ、
我が子の被害を立証する事が
出来ないだけで無く
「真実」すらも知る事が出来なくなります。
我が子が苦しんでいるのであれば、
それを出来るだけ少なくしてあげる事が
親として最良の方法だと私は考えています。
少しでも「いじめ」が犯罪であり、
あってはならないものとして
記事を読んでいる方を始め多くの方々に
知って頂ければ幸いです。
そこで、このサイトでは
「いじめ発生から裁判を起こした経験」を元に
「相談コーナー」を実施しています。
もし、今現在いじめを受けて
誰にも相談できずに
1人で抱え込んでいるのなら
「いじめ-ラボ」に一度お話を
聞かせてもらえませんか!?
我が子が不登校になった時の話や
そこから学校へ復帰した経緯など、
記事には書いていない事も
話をさせてもらっています。
私たちが経験した内容が
少しでもあなたのお役に立てれば幸いです。
いじめの対処法 「分からない」「どうすれば」をメールで受付中!
この記事で書いている内容は
私たちの子が実際に受けたいじめを
ベースにまとめています。
さらにこの記事を読んでいる
あなたをはじめ、
今現在いじめで悩んでいる方々に
少しでもお役に立てれる様に
日々勉強をしています。
そこで今回は記事の紹介だけで無く
これからどうやって
この問題と向き合って行くか、
分からない事などについて、
私たち家族が経験した事を中心に
『「いじめ-ラボ」の相談コーナー』で
随時相談を受け付けております。
- 我が子にいじめが発覚して、これからどうして良いのか分からない
- 学校がキチンと対応してくれなくて不安だ...
- 子供の様子がいつもとおかしい
- 誰にも相談出来なくて、今の気持ちを聞いて欲しい!
など、具体的な内容について
相談を受け付けていますので、
私たち家族の経験が
少しでもお役に立てたら嬉しいです。
※「いじめ問題」について具体的な質問やお問い合わせを受付中!
長文になりましたが、
最後まで読んで頂き
本当にありがとうございました。
コメント
「大河内君いじめ自殺事件」について読ませてもらいました。
当時は自分も20歳前後ぐらいだったと思いますが、テレビの
ワイドショーなどでずいぶん騒がれてた記憶があります。
この事件で当時から、すごい気になってたことがあったんですよね。
ここでも書かれてる通りに「川でおぼせられた」事があったようで、
彼の遺書か何かにも詳しく書かれてたと記憶してます。
逃げようとして泳いでも足を捕まえられて、息が出来なくなるくらい
顔をつけらるような事がされていたと思います。
当時、TBSドラマで「人間・失格〜たとえばぼくが死んだら」という
学校のいじめを扱ったドラマがあり、プールの場面で、川の出来事と全く同じ
ような場面があった記憶があります。新聞、週刊誌、ワイドショーの
どののメディアも書かなかったので、逆にすごい覚えてるんですよね。
当時のTBSのワイドショーで大川内君が通ってた教室の映像が流れた時、
子供達が作った壁新聞にTVのベストテンのような記事があり、子供たちの間にも、
このドラマが人気があったようです。それで、当時の加害者の子たちが、
TVを見て真似したんじゃないかなっと当時は思ってましたし、今もそれは
変わりません。
すぐメディアなどは表現の自由などと言いますが、実際にメディアが与える
影響なども考えたほうがいいと思いますね。ちょっと気になったので、
コメント書かせてもらいました。 どうも失礼しました。
kazuさん
初めまして!「いじめ-ラボ」に来て頂き本当にありがとうございます。
いじめの事件は悲惨なものが多いですが、中でも「大河内君いじめ自殺事件」は今でも
語り継がれる位の事件です。
これだけの内容をテレビで報道しても、いじめは無くならずに自殺してしまう子が
後を絶ちません。
今私たち大人が出来る事は「いじめ」に対する考え方を変え、「痛み」とは何か「いじめ」とは何か
を徹底的に分析していかなければならないと考えています。
そのために過去に起こってしまった事件を風化させずに語り継ぐ事で、
いじめによって自殺をしてしまう子を1人でも減らせればと思います。
我が子もあと少し対応が遅ければ「自殺」してしまったかも知れません。
私たち家族が体験した事を少しでも記事として読んで頂ければ幸いです。
事例の内容で間違いや補足がありましたら、ドンドン連絡下さいね!
「いじめ-ラボ」に来て頂いて本当にありがとうございました!!
今日、学校でこの事件を先生が取り扱っていました。
気になったので色々と調べて見てました。
今の自分からしたらありえないような体験でした。犯人のその後を見て納得がいきませでした。
このような記事とても参考になりました。
ありがとうございました。
reiさん
初めまして!
記事を見てくれてありがとうございます。
今の私たちは「知らない」だけで、見えていない世界(ばしょ)では想像を絶する事が常に起きていると考えられます。
今の私たちに出来る事は「事実を知る事」と「その事実を風化させない事」の2つだと私は考えています。
我が子のいじめを風化させず、困っている人がいれば手を差し伸べる事が自然な社会になるように
少しでも記事を見て考えてくれる人がいれば幸いです。
reiさん本当にありがとうございました。