こんにちは!
いじめ-ラボ管理人の「はかせ」と申します。
今回のテーマは引き続き「海外のいじめ対策」を調べながら、現在の日本で「親の立場」として何か出来ることは無いかをまとめて行く内容となっています。
※前回までの「海外のいじめ対策」の記事はコチラ!
『イギリスから学ぶ、いじめに対して私たち「親」が出来る対策とは』
『親が我が子に出来る事 フランスと日本のいじめ対策を比較してみて』
前回からヨーロッパ諸国を調べてきましたが、傾向として1990年代からの研究成果を元に「市民教育(シティズンシップ)」を導入し「みんなで対策を考え、実行する事」に重点を置いている事が分かりました。
・学校が事実の公表に力を入れている事
・限られた枠組みを廃して自ら「学ぶ事」を選択出来る環境
・親が学校に来て巡回出来る事
・加害生徒に対する罰則規定
・傍観者を作らない環境作り
少しだけ実際に行われている対策を挙げただけですが、今の日本と比べると「いじめ」の存在ありきで対策をとっているかどうかが対応の「差」になっている気がします。
以上を踏まえて、今回紹介する内容は「オーストラリアの対策」についてまとめて行きたいと思います。
時代の流れを考えて見ても中世の市民革命や芸術に関する運動などが影響して文化の改革が進んでいるヨーロッパとは違い、オーストラリアは中世イギリスの植民地から始まりゴールドラッシュや労働者による革命が主体となって現在のオーストラリアがあります。
両方とも、そこに住んでいる市民により様々な文化の形成が行われているのは同じですが「歩みの過程」は全くの別物です。
文化や価値観の違いが今回まとめる「いじめ対策」にどのような影響を及ぼしているのかをまとめつつ、最後には日本との違いについてまとめて行きたいと思います。
※この他にもこのサイトでは私たち家族が子供の被害を通して感じた事や学んだ事をベースにまとめていて、記事形式にして紹介しています。
「いじめ」が他人ごとでは無く明日は我が子に降りかかる問題であり、風化させない為にも実体験を基に記事にまとめています。
もし、我が子が不登校になってどう守って行けば良いのか分からなくなった時にも、あわせて読んで頂ければお役に立てる内容となっています。
実際に裁判を起こしたり、弁護士や行政書士の方のお話を聞いたりと解決策に向けて取り組んできた事の内容を書いていますので是非1度読んでみてください!!
※いじめ問題と過去の裁判や判例についてまとめた記事はコチラ!!
オーストラリアが考える「いじめ」について
中世の植民地時代や2度の戦争を経験しその時代の流れから「移民」が多く、移民国家とも言われるオーストラリアですがこの時代背景と共に「人種差別問題」が根強く残っている事が今のオーストラリアのいじめを構成する要因の1つとなっています。
この事実を証明する内容として過去に複数回「人種差別」に対する法整備が行われており、この事からも「人種」に対して深い溝が存在している事が判明しています。
・白人至上主義
・肌の色で差別
・言葉の差別(先住民族の言語など)
今現在でもオーストラリアでは問題となっています。
オーストラリアでのいじめについてデータを調べた所、次の様な結果になりました。(調査対象は9~15歳位までの生徒)
※参考文献はコチラ
『オーストラリアにおけるいじめの実態とその対策について』(一財)自治体国際化協会シドニー事務所 文 責:迫田明巳所長補佐)
・オーストラリアで被害にあった事のある生徒の割合は約30%近く
(しかもこの割合は「1~2週間で1回以上の被害を受けた事があるか」の割合)
・その中でも「外見から発見しづらいもの」は約15%にもなる
・被害内容に着目してみると「からかい」が60%近くで、系統的に「コミュニケーション阻害系の内容」が半数を占める
といった調査内容が明らかとなっていて、少なからず「コミュニケーション阻害系のいじめ」が起きている所から「人種差別の問題」は子供の間にも浸透してしまっている事がうかがえるでしょう。
以上の事から、オーストラリアのいじめについて簡単にまとめると人種に対する価値観の違いによっていじめが誘発されているケースが多く見られる事が特徴と言えるでしょう。
日本でも「貧富の差=学力の差」や「学歴社会」が問題となってる点からすると、オーストラリアの内容と似ている所が多いと感じます。
自分と他人を比較した上で「違い」を拒絶し相手を陥れる方式が「いじめの根底」に根付いている事を考慮して対策を考えていかなければならないでしょう。
では次の段落で実際に行われている対策を簡単にまとめて行きたいと思います。
オーストラリアが行っている対策について
オーストラリアで行われている対策をまとめていく前に、1度ご覧になって欲しい動画があります。
実際に被害を受けた生徒のインタビューや学校の授業を紹介する内容となっていますが、この内容を見てみると「日本との違い」が浮き彫りになってきます。
先ほどの参考にさせて頂いた調査データから分かる事や独自に調べた内容と照らし合わせてまとめてみました。
学校側が「いじめ」の存在を肯定している事
まず今回のオーストラリアでの対策をまとめていく上で一番評価する内容がこの「学校がいじめの存在を認めている事」です。
先ほど紹介した動画の中でも先生へのインタビューで発言している通り、
・いじめがある事を前提に子供達と接している
・逆に「いじめが無い」と言っている学校ほど真面目に対応していない学校である
これらの事実を学校の先生が認識している点がオーストラリアの学校を評価すべきポイントとなるでしょう。
今までのオーストラリアの歴史を踏まえて「人種差別問題」が目立つ環境だからこそ、子供の差別に対する問題・現状に目を向ける事が出来るのだと感じます。
警察が介入出来る
オーストラリアの学校問題と日本の学校問題を比較してみて、オーストラリアの特徴とも言えるのが「警察が介入出来る事」になります。
警察の介入については前回からの特集で紹介させて頂いたヨーロッパ諸国でも見られていて、学校内部だけの問題と捉えずに全体で考える姿勢の表れと取って良いでしょう。
先ほど調査データを参考にさせて頂いた文献にも記載されているのですが、学校生活を担当している警察官が配備されていて何か問題があった場合に連絡出来る様に整備されています。
いじめに限らず学校での事故にも迅速に対応出来る様に連絡先を明記するように義務化されている事も判明しています。
コチラの内容も日本とは対称的で、いじめの存在ありきで考えているオーストラリアと隠し続ける日本の対応の「差」を表しています。
実際に我が子のいじめを知ったときに、私自身も警察に連絡する事をまず先にしようとは考えも付かなかったですね。
日本の警察は実際に被害が出てからでないと動いてくれない事がほとんどなので、被害が把握出来ていない以上はすぐに警察に連絡するとは考えませんでした。
私自身の経験でもあるように日本では「いじめが学校の問題」として根付いている傾向があると言えるでしょう。
この「いじめ-ラボ」でもまとめている様に躊躇せずに警察へ連絡する事はこれからの対策としてメジャーになると思われます。
いじめの電話相談(子供も親も)に相談する回数が多い
日本でも存在している電話相談なのですが、オーストラリアでは年間約10万件を超す勢いで相談の電話があるそうです。
ちなみに最近日本で始まったLINEでのいじめ相談では2週間で約1500件で、今まで存在していた電話相談の年間件数と比較すると約6倍の相談が寄せられたとニュースで報道されています。
先ほどの警察の介入についてまとめた段落でもあるように、日本の「いじめ」に対する考え方は「知られたくない」「恥ずかしい」「言いたくない」の3つに代表される様に「事実を認めない・認めたくない」傾向にあります。
オーストラリアの人の価値観もあるとは思いますが、子供の問題に対する知識や受け入れ方を始め関心が深い事が影響していると考えられます。
昔から人種差別の問題が身近な存在であった以上、人との違いやそこから生まれるトラブルについて常に考えなければならない環境がそこにあった訳ですから「人との違い」や「その問題が自分1人で解決出来ない事」は常識の範疇だったのではと私は考えています。
加害生徒に対する罰則
ヨーロッパ諸国に見られる「加害生徒に対する罰則」の考えはオーストラリアにも影響を及ぼしています。
もしかすると「被害生徒よりも集団に対する影響」を気にしているのは日本だけだと思います。
オーストラリアの罰則が実際にどのような内容なのかまでは調べる事は出来ませんでしたが、
・懲役刑や罰金刑
・日本と同様に監護義務違反が問われる
・いじめが人種差別に繋がる場合には、人種差別禁止に関する罰則で定められる
と言ったように問題に対して「不寛容」である傾向が見られます。
以上、オーストラリアで実際に取られている対策についてまとめてきましたが今現在起きている問題を隠そうとするのではなく1つずつ解決する様に動いている事が分かりました。
日本でも先生による地道な努力はありますが、それが世間に知られる事無く自殺してしまった事例やどうでも良い芸能ニュースで埋もれてしまっている現状にも問題があるのでしょう。
次の段落でこれらの対応を踏まえて、私たち親がこれから出来る事は何かについてまとめていきたいと思います。
オーストラリアの対策を振り返って 私たち親に出来る事
今までのオーストラリアで取られている対策を振り返ってみて言える事は、いじめに限らず「子供間で起きる問題」について考える環境が側にあると言う事が大きいでしょう。
・学校問題
・人種問題
・隣人問題
・家族問題
など、人に関する問題について考える環境が側にあると言う事になります。
日本では戦前に比べると地域問題や家柄に対する価値観などはめっきり少なくなりましたが、オーストラリアと同じ様に差別に関する問題について考える時期が存在しています。
その時期を活かす事が出来なかったのは日本のミスであり、これからの国際社会に向けて必要になる考えだと思います。
そして「いじめ問題」についても同じ事が言えて、学校だけの問題だったり海外の対策を考えてもしょうがないと思ってしまっては同じ事の繰り返しになってしまいます。
今からでも出来る事として「問題に対して不寛容になる事」が挙げられます。
・子供の事だからこれくらいは...
・ただのじゃれ合いだから...
・いじめでは無い(断言する先生とか)
・出来れば内密に...
など曖昧な対応を学校がしてくるのであれば迷わずに外部の専門家に相談するべきでしょう。
子供が受けた事がどんなに些細な事であっても、それが子供が辛く悲し気持ちにさせてしまっている以上は「いじめ」になります。
いじめの酷さは受けた本人にしか分からないものですから、「誰かに相談出来る環境」を整えて行かないと子供は自分から相談はしづらいハズです。
ましてや親が誰かに相談することも出来ずに迷っているのであれば、その姿を見ている子供は尚一層相談しづらくなるでしょう。
ありきたりな対応かも知れませんが、我が子が言いたい事は何なのか把握出来る親なんていないと私は思います。
なぜなら子供は親が思っている以上に成長するスピードは速いし、何より親自身が子供を見ながら成長するものだと思うからです。
親は完全なものではなくむしろ欠陥だらけだから出来なくて当然だし、分からなかったら聞くのが普通だと私は考えています。
外部の専門家がいたり相談する環境が整っているのであれば、恥も外聞も捨てて分からない事は相談したり聞いたりする事が一番大事なのではと思います。
まとめ
今回の記事は「海外のいじめ対策」としてオーストラリアで取られている対策を紹介しつつ、今現在日本で起きている問題に対してどのように対応していくべきなのかをまとめた記事となっています。
今回参考にさせて頂いた文献の他にオーストラリアで起きているいじめについて日本より発生率が高く危険としているものもありますが、この記事ではその逆で学校で起きている問題をありのまま公開しているからこその発生率なのではと考えています。
その理由として考えられる内容として、オーストラリアで前から問題になっていた「人種差別問題」が存在している事。
オーストラリアは「移民国家」とも言われる様に他の先進国同様に様々な人種が存在しています。
それ故に過去複数回に渡って人種差別に関する法律の改定がオーストラリアで行われ、「差別」に対する考え方を改める機会が多かった事が今回のいじめ対策に影響していると言うことです。
「人」の違いはあって当り前
この考えが自然と浸透しているから問題が起きたとしても拒絶反応無く公表も出来るのだと思いますし、誰かに相談出来る環境が整っているのだと調査して感じています。
この「いじめ-ラボ」でも「裁判まで起こした経験」を活かし、我が子がいじめられてどう対応して良いのか分からない方の為に「相談コーナー」を実施しています。
私たち家族が経験した事をベースとしているのでリアルないじめの実態を聞く事が出来るし、子供が普通の生活に戻れる様になるために必要な事などもアドバイスさせて貰っています!
いじめが起きてから裁判で勝つまでの経験を元に相談コーナーを実施中!!
この記事で書いた事や「いじめ-ラボ」でまとめている内容は私たちの子が実際に受けたいじめをベースにまとめています。
さらにこの記事を読んでいるあなたをはじめ、今現在いじめで悩んでいる方々に少しでもお役に立てれる様に日々勉強をしています。
そこで今回このサイトでは記事の紹介だけで無く「これからどうやってこの問題と向き合って行くか、分からない事」などについて随時相談を受け付けております。
- 我が子にいじめが発覚して、これからどうして良いのか分からない
- 学校がキチンと対応してくれなくて不安だ...
- 子供の様子がいつもとおかしい
- 誰にも相談出来なくて、今の気持ちを聞いて欲しい!
など、私たちの経験を基に記事に書いていない事なども答えられる範囲でお答えします!!
※質問やお問い合わせはコチラ!
『【完全無料】いじめ発生から裁判で勝つまでの「2年半」を凝縮した「いじめ-ラボ」相談ページ』
長文になりましたが、最後まで読んで頂き本当にありがとうございました。
コメント