こんにちは!
いじめ-ラボ管理人の「はかせ」と申します。
今回の記事は「海外のいじめ対応」をまとめながら、今現在起きている子供のいじめにどう対応していけば良いのかを考えていく内容となっています。
今回紹介する海外の対策については「フランス」を事例に出して、
- フランスのいじめに対する考え方
- 実際に行われている対応は何か
- そこから考えられる「子供のいじめに対するベストな対応」とは何か
についてまとめて行きたいと思います。
※この他にもこのサイトでは私たち家族が子供の被害を通して感じた事や学んだ事をベースにまとめていて、記事形式にして紹介しています。
「いじめ」が他人ごとでは無く明日は我が子に降りかかる問題であり、風化させない為にも実体験を基に記事にまとめています。
もし、我が子が不登校になってどう守って行けば良いのか分からなくなった時にも、あわせて読んで頂ければお役に立てる内容となっています。
実際に裁判を起こしたり、弁護士や行政書士の方のお話を聞いたりと解決策に向けて取り組んできた事の内容を書いていますので是非1度読んでみてください!!
※いじめ問題と過去の裁判や判例についてまとめた記事はコチラ!!
子供がいじめにあった時の対応についてフランスから学べる事とは!?
この段落ではフランスの「いじめに対する考え方・対応の方法」について具体的に見ていきたいと思います。
フランスでは他のEU諸国と同様に「市民教育(シティズンシップ)」が導入されていて、「いじめは子供の問題」という視点から「市民全体・学校全体の問題」という視点で対応がすすめられている所が日本との大きな違いであると言えるでしょう。
特にいじめの対応で見習いたい点は、
フランスでは「いじめ=犯罪」として規定しており罰金刑と禁固刑が科される
という点です。
しかし実際にいじめに対して本腰になったのが2010年以降と最近であり、それ以前は今の日本の様に
- 教育現場と行政の連携が取れていない
- 学校の内部的な事務は校長の裁量(自由に決定する事)に委ねられている
- 校長の経験論でいじめの対応が進められてしまう
- 保護者の意見を学校側がくみ取れていない
といった対応が多く、被害生徒側が泣き寝入りしなければならないケースが過去に多かった事も今回の調査で分かっています。
日本と同様にいじめで自殺してしまう生徒が増えてしまい本腰を入れて対応を進めている事は同じなのですが、集団行動に意固地になって「出る杭を叩く」日本と「個人の人権を尊重する」フランスの違いが見て取れる内容と言えるでしょう。
※今回参考にさせて貰った文献はコチラです!
・ニュースウィーク日本版 『「お国柄」ではすまされないいじめ問題の根の深さ』
子供のいじめ フランスの対応を参考にすべき理由
先ほどフランスの「子供のいじめ」に対する対応(良い所)をまとめてきましたが、日本で起こる子供のいじめでフランスの対応を参考にすべき理由として「いじめの低年齢化と自殺」が挙げられます。
文部科学省が調査したデータ『平成 29 年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について』によると、
といった内容になり、小学校で起きたいじめ(認知件数の値)が全体の認知件数の約75%となっている事が分かりました。
さらにコチラのグラフでは、
高校に近づけば近づくほど自殺の件数が非常に高くなる結果となり、ある程度の問題解決力が見込める中学校・高校でいじめによる自殺が相次ぐ事が判明しています。
※出典元:『文部科学省 平成 29 年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について』
以上の様に文部科学省の調査結果から
- いじめの低年齢化が進んでいるから「ただの子供のじゃれ合い」といって軽視出来ない事
- 中学校・高校とある程度精神的に自立している年齢で自殺が相次いでいる事から「いじめは犯罪であり人権侵害」という意識を持たないといけない事
と言うことが明らかになり、「子供のいじめ」と言うことで対応をおろそかにしたり事を丸く収めようとすれば(事なかれ主義)取り返しの付かない事(自殺)になってしまう危険性があると言えるでしょう。
今回紹介したフランスのいじめ対応を参考にしていけば「いじめ=犯罪」となるので、積極的な外部の対応も見込める事になりスムーズな解決・対応が見込めると私は考えています。
また、「犯罪」となれば公正な場での争い(裁判)を行う事も出来ますので、閉鎖的な学校の中での意見だけでなく広く民衆の意見を聞く事も出来るでしょう。
さらには「いじめ=犯罪」となれば「子供のいじめはじゃれ合い」ではなくなるので、義務教育の期間でも被害生徒が不登校になるのではなく加害生徒側が学校から出て行かなければならない形に発展する可能性が生まれるかも知れません。
結果的に被害生徒が自殺するまで追い込まれる必要がなくなり、心のケアを始め不登校のサポートや学習の補填といった行動に移しやすくなるとも言えるでしょう。
以上の様に「いじめ=犯罪」となるだけで対応はドンドン良い方向に変わっていくと私は考えていますので、フランスの対応を参考にする意義は非常に高いのでないかと思っています。
※フランスの対応と共に今現在日本で起きているいじめの内容をケース別にまとめた記事を載せていますので、一度参考までに読んでみてください。
『小学生の我が子をいじめから守る為に今から出来る解決策とは!?』
フランスが行っている子供のいじめへの対応と教育の内容について
この段落ではフランスが子供のいじめに対して実際に行っている対応や教育の方針についてまとめて行きたいと思います。
日本で報道されている生徒の被害状況や問題とを照らし合わせながら見ていきましょう。
教育そのものの在り方
日本では小学校から中学校までを「義務教育」で高校からその後の大学・大学院は各自進路は自由となっていますが、この「義務教育」の過程では予め「自分が学ぶ内容」は定められてしまいます。
自分で勉強したい内容は選べないと言っても良いでしょう。
もし、その先の勉強や自分で調べたい事があった場合は各自塾などで学ぶ必要があります。
その点フランスでは「フレネ教育」といった方針がとられており、自分自身で「何を」学ぶのかを決定できるという方針がとられています。
『フレネ教育』とはどういう教育なのか??
子どもたちの生活や興味から出発した自由な表現による学習を重視しており「自由作文」「学校印刷所」「学校間通信」などの実践が行われている。学習は個別化されており自分で計画を立て協働しながら学習を進めるという方法を取っている。また学年ごとにクラスが分けられているということはなく、子どもたちが異年齢集団の中で助け合ったり学び合うことを学ぶ。
引用元:『フレネ教育 Wikipedia』
将来を見据えて専門的な事を小学校くらいの年齢で学ぶ事も出来ますし、興味のあるものを学ぶ事も出来るので「学校生活で受けるストレス」を日本に比べると軽減出来ると考えられます。
また、最近問題となっている「積極的不登校」についても解消できるカギとなっていると私は考えています。
「フレネ教育」の元ではクラスを構成するメンバーも同い年の子だけじゃなく、年上の子も混ざって学びたい内容を勉強するシステムになっているので時には教えてもらう時もあるようです。
簡単に言えばインターナショナルスクールのスタンスをイメージすると分かりやすいと思います。
子供の教育に掛かるお金について
「教育」についてもう一つの特徴をまとめてみた所、日本とフランスの決定的な違いが明らかになりました。
それは「教育に掛かるお金」についてフランスは圧倒的に「安い」と言う事です。
フランス政府が教育に対して公的資金を賄っていると言う事になりますが、対象的に日本は約50%近くを自己負担で賄っている計算になります。
この事実を証明するデータがありますので見ていきましょう!
出典元:文部科学省 図表でみる教育(Education at a Glance)OECDインディケータ
初等~中等教育(日本だと義務教育に当たる部分)だとフランスの方が負担が大きい様に見えますが、日本だと進学に向けてより良い学校に入るために(学習塾への負担など)多額の費用が掛かり、実質的には義務教育の時点でもフランスより掛かっている事がこのグラフから分かると思います。
日本では義務教育は基本授業料無料となっていますがその後を考えて私立に通う家庭が多いので、義務教育に当たる生徒がいたとしてもすぐにフランスより安いと判断する事は出来ません。
これを私たち「親の立場」で考えてみると、子供がとりえると対応として「選択肢」が多くなると言ったメリットがあるでしょう。
いじめを受けたとしても「今の学校」にしがみつく必要がなくなるし、これから中学校や高校と進学するに当たって「自分の夢」に向かって勉強する意味が見いだせる事にも繋がると私は考えています。
実際にいじめを受けて「いじめ-ラボ」に相談を寄せてくれたご家族が居ましたが、転校してから学校が楽しくなったと言ってたケースもありますので、「経済的な余裕から選択肢が増える事」はこれからのいじめ問題に有効な解決策と言えるでしょう。
子供を見守る新しいポジション
教育方針と教育に掛かる費用について書いてきましたが、フランスの特筆すべき内容として「生徒指導専門員」というポジションがある事が挙げられます。
簡単に言うと、、生徒の出欠や生活態度の評価・監視をはじめ様々なトラブルに対応してくれる先生の事です。
日本では対象的にこれらの対応は原則担任の先生1人で行っています。
当然授業の内容も考えなければならないし、中学校になれば部活を受け持たなければなりません。
そうなれば先生1人で全てを行う事は困難になっていくでしょう。
そこでフランスはこの「生徒指導専門員」を導入する事によって、先生の負担を減らす一方で問題の初期対応を万全とする対策をとっています。
中には用務員の先生も生徒の気になる事を伝えたり、相談を受ける事もあるそうです。
子供を取り巻く「第三者機関」がしっかりと機能している
先ほど、フランスでは「いじめ=犯罪」と定義していると書きましたがその影響もあってか日本では考えられない位のいじめの相談がフランスの行政機関に寄せられている事が判明しています。
今回この記事を書くに当たって日本で「いじめの相談件数」がどれ位なのかを調べた所、年間200~300件くらいにしかならないそうです。
それに対してフランスの相談機関には約5~6万件の相談が年間で寄せられるとなっていて、日本とフランスの対応の格差があまりにも違いすぎるとショックを受ける程でした。
桁が違いすぎますね(汗)。
ウラを返せば、今の日本の教育行政が信頼されていない事を表していると言えますね...。
何故ここまで違いが出るのか!?
理由は単純で、トップの国の機関から末端の相談機関までの連絡のラインが統括されているから
「相談」=「対応」=「是正」=「解決」=「報告」
という流れが確立されて、子供をはじめ保護者まで「第三者機関」へ対する信頼が作られているから、その作られた信頼がまた相談を呼ぶ形になっている事が判明しています。
さらに何回か書いている「いじめ=犯罪」という価値観も定着している事もあり、事件が発生してから裁判などの司法機関にも相談するといった対応も取られている事も影響していると考えられます。
まとめれば、「国が本気になっているのかどうか」が違いすぎると言う事になるでしょう。
日本の教育行政はフランスを見習って欲しいと思います!!
※この段落を書くに当たって参考にさせて貰った文献はコチラ!
ソーシャルアクションラボ 『教育委員会が主導する、フランスのいじめ事後対応』
以上、フランスの対策をまとめてきましたがいじめだけで考えずに「教育全体」を踏まえた上での対策として考えられているものが多く、その後の効果が気になるものが多い様に感じます。
特に先進国で見られる「貧富の差=学習の差」の改善がいじめ問題の対策としてこれからどのように働くのかが気になる所ですね。
「貧富の差=学習の差」の考えは「人間関係に対する差別」に直結する考え方になるので、この問題が改善されれば「いじめ対策」への大きな一歩となるでしょう。
もし、我が子にいじめが起きた時にはどう対応するべきか!?
これまでの内容を振り返って、我が子にいじめが起きてしまった時にどう対応していけば良いのかをまとめて行きたいと思います。
まず何よりもこの問題が「犯罪」であるといった考え方が日本に比べてフランスの方が進んでいると言えるでしょう。
日本では一般的に「被害生徒」の方が対策を迫られる事が多い現状なのに対し、フランスでは罰則(罰金刑と禁固刑の併用)を認めている点で加害生徒に責任を求めやすくなっていると言えます。
- 子供の考え方、特に「やって良い事」と「悪い事」の分別が出来ていない
- 加害生徒の更正への工程について実際にペナルティーありきで望む(普通の犯罪と同じ様に)
「事なかれ主義」に始まり、我慢する事が美徳とされてきた日本にとって「主張する事」はこれからの問題に対する解決策と言っても良いのではないでしょうか。
いじめの存在を証明する事や第三者機関(弁護士や行政書士など)に相談して対応を進める事に遠慮せず「子供をいじめから守る事」について積極的になる事が望ましいと私は考えます。
ケースによっては「学校自体を訴える」事もあるでしょうが、気後れしないで毅然とした対応を進めるべきと言えるでしょう。
また、「学校と協力して子供のいじめに対応しなければならない」ケースもあります。
学校の協力(対応)があったから被害が少なくて済んでいる事件もあり、何よりいじめ問題の情報は学校が全て握っていると言っても過言ではありません。
限られた学校生活の中で必要最小限の時間で最大限の効果(いじめの解決)を望むのであれば、いかに学校との協力関係を作れるのかにも考えていかなければならないでしょう!!
※学校との協力を実現するために弁護士(教員でもある)が書いた対応マニュアルを紹介していますので、是非読んでみてください
さらにいじめは単体で問題になる事よりも、複数の問題を絡めて大きくなる問題とも言えるでしょう。
その最たる例として「不登校」が挙げられます。
残念ながら「不登校」はまだ悪いイメージとして捉えられている事が多く、不登校で悩んでいる子供やその家族を一層追い込んでいる現実が日本にあります。
中学校では「内申点」、高校では「留年や退学」といったデメリットが象徴している様に、いじめは加害生徒が有利な点が多い事も問題です。
しかし、近年(特に中学生において)は不登校でも出席認定を受けれるシステム(100%では無い)が出来て、実際に認定を受けている子供もいます。
※文部科学省が公表している出席認定についての参考文献はコチラ!!
私個人的な意見として「不登校」は悪い事よりもむしろ「いじめを始めとする学校問題」を解決する為の必要な行動だと考えています。
そもそも多様化する価値観や世界の情勢を考えてみたら「集団行動」は人としてのルールなどを学ぶ事に一定の成果はあるものの、「個を廃する傾向」がどうしても強くなる傾向になるでしょう。
大義名分の名の下に「個を廃される」のであれば、一体何の為に学問が存在していてそこから生きる目的や素晴らしさを学ぶ事が出来るのでしょうか!?
自分を守る為なら「不登校」はするべきだと私は考えています。
※「不登校」に対する出席認定について認めて貰う為の具体的な方法をまとめた記事を載せていますので、是非読んでみてください
子供がいじめを受けた時の対応法 フランスのいじめから学べる事とは まとめ
今回の記事は「海外のいじめ対策」をテーマに、フランスで行われている内容について日本と比較しながらまとめてきました。
今回紹介する海外の対策については「フランス」を事例に出して、
- フランスのいじめに対する考え方
- 実際に行われている対応は何か
- そこから考えられる「子供のいじめに対するベストな対応」とは何か
についてまとめてきました。
結果は日本よりもフランスの方が「国全体として対策・対応を進めている事」が明らかになり、今の日本に足らない事がドンドン見えてくる結果となっています。
そんな中で特に見習うべき事として、
- いじめを犯罪として捉えている事
- 生徒自身が学びたい事を自ら選べる事
- 教育に掛かる費用が日本と比べて格安
- 先生の負担が日本と比べて各教員に分担されている事(生徒指導専門員について)
- 子供を取り巻く「第三者機関」がしっかりと機能している
5つのポイントをまとめてきました。
以上の内容から私たち親が出来る事として考えられるのは
- いじめがあった場合には小さい事でも学校や他の専門家へ相談する事が肝心
- 学校との協力体制を取る事も考える必要がある
- いじめを認めて貰う為に自分から証拠を集める事も必要
- いじめを回避する為に「不登校」は必要である事
という答えが出せると思います。
まだフランスの様に個人が学ぶ事などを選択出来る様な環境ではありませんが最近いじめに対する裁判も増えてきている為、加害者への責任・学校への責任追及に対する動きが少しずつ増えてきています。
関係は無いかも知れませんが、パワハラ問題や指導死の問題など2018年に話題となる場面が多々あった事も影響しているのだと思います。
理不尽な事に対しては「寛容」では無く「毅然」とした対応を取りやすくなっているとも言えるので、私たち親が責任を持って見守る事が被害生徒救済への道が開きやすいとも言えるでしょう。
いくら我慢しても失った時間は戻ってきませんので、理不尽な事にはしっかりと対応していくべきだと私は考えています。
そこで、今回「いじめ-ラボ」では「いじめ発生から裁判を起こした経験」を元に「相談コーナー」を始めました!
実際に裁判を起こしてみての感想を始め、学校との対応の仕方など記事には書いていない内容などを直接お話しています!
今現在いじめを受けていてどう対応していけば良いのか分からず途方に暮れているのであれば、一度お話を聞かせてもらえませんか!?
いじめが起きてから裁判で勝つまでの経験を元に相談コーナーを実施中!!
この記事で書いた事や「いじめ-ラボ」でまとめている内容は私たちの子が実際に受けたいじめをベースにまとめています。
さらにこの記事を読んでいるあなたをはじめ、今現在いじめで悩んでいる方々に少しでもお役に立てれる様に日々勉強をしています。
そこで今回このサイトでは記事の紹介だけで無く「これからどうやってこの問題と向き合って行くか、分からない事」などについて随時相談を受け付けております。
- 我が子にいじめが発覚して、これからどうして良いのか分からない
- 学校がキチンと対応してくれなくて不安だ...
- 子供の様子がいつもとおかしい
- 誰にも相談出来なくて、今の気持ちを聞いて欲しい!
など、私たちの経験を基に記事に書いていない事なども答えられる範囲でお答えします!!
※質問やお問い合わせはコチラ!
長文になりましたが、最後まで読んで頂き本当にありがとうございました。
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