PISAランク上位クラス常連のフィンランドのいじめ対策について

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こんにちは!

いじめ-ラボ管理人の「はかせ」と申します。

 

今回の記事の内容は前回のテーマと同じで「海外のいじめ対策についてまとめた内容となっています。

 

 

この記事で例として挙げさせて頂いているのは「フィンランド」です。

 

フィンランドといえば大自然の中に囲まれた景観美しい国で有名ですが、学力でも有名な国で「PISA(国際学習到達度調査)」上位クラスの常連でもあります。

 

 

日本も上位クラスに入るのですが、今の日本の学校の内情と今回調べたフィンランドの学校の内情を比べてみるとその差は「天と地」ほどの差がありました...。

 

その学習と人材育成に力を入れているフィンランドの対策から、これから私たち「親」に出来る対策について簡単にまとめて見ましたのでご覧下さい。

 

 

 

 

季節が秋になり学校行事が増えてくるにつれて、このサイトへの問い合わせが心なしか増えてきている様に感じます。

 

そのほとんどが「実際に被害を受けているいじめの対応」についての相談になっていて、季節の移り変わりが美しいこの時期とは裏腹に子供達の心境は「曇り空」が多い時期です。

 

本来であれば学校は子供の成長にとって必要不可欠(勉強よりも青春時代を謳歌する為に)なものであるハズが、今現在では「行かなくても(行くべきではない)良い」と考えられる様になってしまいました...。

 

 

 

この他にもこのサイトでは私たち家族が子供の被害を通して感じた事や学んだ事をベースにまとめていて、記事形式にして紹介しています。

 

「いじめ」が他人ごとでは無く明日は我が子に降りかかる問題であり、風化させない為にも実体験を基に記事にまとめています。

 

 

もし、我が子が不登校になってどう守って行けば良いのか分からなくなった時にも、あわせて読んで頂ければお役に立てる内容となっています。

 

 

実際に裁判を起こしたり、弁護士や行政書士の方のお話を聞いたりと解決策に向けて取り組んできた事の内容を書いていますので是非1度読んでみてください!!

 

 

 

 

フィンランドが考える「いじめ」について

この段落ではフィンランドが「いじめ」に対してどのような考えを持っていて学習といじめ対策の両立をしているのかをまとめて行きたいと思います。

 

前回までの記事でイギリス、フランス、ドイツとEUに加盟している国々についてまとめてきました。

 

 

どの国も日本よりも前(若しくは同じくらいの時期)からいじめに対する研究や考察が行われていて論文などの作成されていますが、日本のいじめに対するスタンスとEU諸国で見られるスタンスには大きな「違い」が見られます。

 

 

簡単に書くと、

 

『日本は「被害生徒」を守るよりも「学校全体への影響」を考える』

・被害生徒の被害よりも学級全体の「和」が崩されないようにする

・場合によっては黙殺もある

・被害生徒が転校するのが一般的

・学校で起きた問題は学校で処理するのが望ましい

・第三者の介入を拒む傾向がある

 

 

『イギリス、フランス、ドイツなどのEU諸国は「加害生徒への罰則」を強めている』

・法律でいじめに対する罰則が決められている

・日本とは逆で加害生徒に転校措置がとられる

・教師とは別の立場の先生(用務員、相談員など)がいじめ対策に介入できる

・授業で「いじめ」についての科目がある事

 

 

と言ったようにEU諸国では「いじめ」を「悪」として捉えており、実際に問題が起きたときには「事なかれ主義」にならない様に毅然とした対応を進めている事が分かります。

 

 

 

では、同じEUに加盟しているフィンランドではどうなのか??

 

 

実際にフィンランドで考えられているいじめは「当事者問題の他に周りで見ている生徒がいじめに及ぼす影響を操作している」と考えられている様です。

実際に行われているいじめは当事者同士だけの問題でなく、「それを周りで見ている生徒」がその被害を操作していると言うことです。

 

 

例えばそこでいじめが行われているとして「周りにいる生徒」がそれを煽るように見ているケースと無関心で傍観しているケースがあったとします。

 

前者と後者を比較してみると、その後の被害の程度や継続性について違いが出てくると研究結果で出ている事が判明しています。

今回の内容の参考文献はコチラ

学校におけるいじめ対策教育 ―フィンランドのKiVaに注目して―

北川裕子* 小塩靖崇* 股村美里 佐々木 司 東郷史治 東京大学大学院教育学研究科健康教育学分野

 

 

 

フィンランドではこのように「周りで見ている生徒」に対してどのように働きかけるのかを重視して「クラスの雰囲気」を改善する方針をとっている様です。

 

それに伴い子供の学習権を確保する為の規定も盛り込まれており、「いじめを法律で守る」という姿勢は他のEU諸国と同様である事も分かりました。

 

 

次の段落でこの考えを踏まえた「実際に行われている対策」についてまとめて行きたいと思います。

 

 

 

実際に行っているフィンランドの対策

他のEU諸国とは違ったアプローチで問題に向き合っているフィンランドですが、近年の日本の教育学者もこのフィンランドの対策から様々な書籍を発行しています。

 

特にフィンランドで行われている「KiVaプロジェクト」に各国から注目を浴びているようで、日本でも一時試験的に取り入れられた事もあるそうです。

 

 

 

KiVaプロジェクト

おそらく、今の日本とフィンランドとの学力や意欲の格差はこの「KiVaプロジェクト」が影響してるといっても過言では無いでしょう。

 

フィンランドでもいじめは起きていますが、日本であれば「存在しない」の一点張りの所をフィンランドであればまず認める所から始まります。

 

 

そして先ほどまとめた「フィンランドのいじめに対する考え方」でまとめたように、当事者間で解決するのでは無く「その周りで見ていたであろう生徒」にこの問題について深く考えさせて「傍観者から仲裁者へ」転換するシステムがこの「KiVaプロジェクト」になります。

 

・どういう行為が「いじめ」とされるのか

・「周りで見ていた」自分は加害者なのか被害者なのか

・自分(傍観者になった自分)が「それ」を見ていて本当に楽しいのか

 

 

「KiVaプロジェクト」に関する文献を見ていくと上記3つの項目が念頭に置かれていて、いじめ自体を無くすと言うよりも「いじめをほっとく環境を無くす」事に力を入れている事がわかりました。

 

 

日本でもいじめはよく「4つの階層」に分かれると言われています。

 

・加害者

・被害者

・仲裁者(日本で圧倒的に少ない)

・傍観者(日本で圧倒的に多い)

 

日本では傍観者になるケースが圧倒的に多く事後的なアンケート調査などでは実態が掴めないのが現実ですが、フィンランドのように「傍観者から仲裁者へ」転換するように働きかければ自ずと被害が減少すると考えられており、事実フィンランドのほとんどの小・中学校で減少したと報告されています。

 

 

 

教育に関する法律

先ほど紹介した「KiVaプロジェクト」ですが、この対策だけで無く「教育に関する法律」の整備が整っている事についてもフィンランドの対策が注目されている理由の1つに数えられるでしょう。

 

 

フィンランドで定められている教育に関する法律を「基礎教育法」と呼ばれ、生徒が勉強に集中できる環境を定めている他に「学習を妨げた生徒」に対する決まりについてもまとめられています。

 

 

この「学習を妨げた生徒」に対する決まりについてはフランスの対応にも似ている所があり、

 

・出席停止の内容の強化(最大3ヶ月)

・妨げた生徒を学校から排除する事について

 

と明記されていて、日本の教育制度と比べると「加害生徒に対する罰則」は非常に厳しいものとなっています。

 

※今回の記事で参考とさせて頂いたサイトにおける基礎教育法の一部分を引用させて頂いています。

サイト名 『フィンランドのいじめ対策』

URL:http://www9.plala.or.jp/Jussih/kivakoulu/kivakoulu.htm

 

第36条 規律の維持

①教育を妨害する学習者,または故意に学校の規則を破る学習者に対し,最長2時間の居残り,または文書による注意を決定できる。もし,規則を破る行為が重大,または居残りや文書による注意の処分後にも前述した非行を続ける学習者は,最長3ヶ月間出席を停止させることができる。指導要録への記載や登校停止は,規律維持の罰則としてあるものである。

 

②教育を妨害する学習者に対し,教室またはその他学校が指定した教育現場から後述する授業時間の間離脱させることを決定できる。

 

③学校やその他教育現場で働いている人の安全が学習者の暴力や脅しのために,または教育やその他教育作用が難しくなる学習者の理不尽な妨害行為のために危険がある場合,後述する就学日のその日1日,学習者の出席を拒絶することができる。

 

④宿題を怠った学習者は,授業終了後のその日,1回1時間を上限に監視のもとで宿題を完成させるよう決定できる。

 

 

第36b条 (2003年6月13日,法477)妨害ならびに安全を脅かす学習者の排除

 

①校長や教員は第36条第2項でいう教育現場からの離脱の決定を守らない学習者を教室またはその他教育を行う場所または学校の敷地から排除する権利を持つ。校長や教員は,同様に第36条第3項でいう教育を断る通知を無視して退去しない学習者を学校周辺から排除することが出来る。

 

②排除される学習者が排除を避けようと抵抗した場合,校長や教員は,学習者を排除するため学習者の年齢,その場の脅しや抵抗の重大性やその場の状況を総合的に判断して必要な力の手段を行使する権利を持つ。

 

③校長や教員は第1項,第2項でいう処理を協同して,または個別に行うことができる。学習者の排除で道具を使用してはならない。校長や教員の安全を脅かした力の手段の行使の顛末を文書による報告書にして教育施行者に提出すべきものとする。

 

④力の手段の行使のその他は刑法(1889年,法39)の第4章第6条第3項と第7項とで規定する。

 

 

いじめで生徒の安全が害されるだけで無く「勉強」も「クラスの雰囲気」も損なう事を考慮し、その学校で学んでいる生徒であっても「毅然」と対応するフィンランド並びにヨーロッパ諸国の姿勢がPISAで毎年トップクラスの実績を残していると考えられます。

 

 

 

学校(教員)の裁量について

先ほどまとめたように「加害生徒」に対する方針について日本と比べると明らかに教師に対する権限が広く認められているフィンランド。

 

学校(教師)に対する裁量が広く認められている事によって教師の尊厳が守られている事に繋がり、強いては教師の意識向上と指導の質の向上に繋がっていると考えられます。

 

 

その証拠として、フィンランドの教師1人当たりの生徒数は15人から20人と少数であり拘束される時間も日本と比べると大幅に短縮されている事が判明しています。

 

中には午後5時には学校から家に帰っている所も少なくない様です。

 

 

その秘密は部活動などのクラブ活動が基本的にフィンランドではとられておらず、学校は学習の場と割り切っている事が影響していると考えられます。

 

私が住んでいる所の近くに小学校と中学校があるのですが、小学校であれば夜9時頃中学校であれば10時を過ぎても職員室に明かりが灯っている事は珍しくありません。

 

さらに日本の先生方の大変なところは「休日に部活動がある事」で、下手をしたら一年中学校の行事で拘束されていると言っても過言ではないでしょう...。

 

 

 

今や日本の「学校」はブラック企業と化しており、仕事の「量」と「質」は悪化していくばかり。

教師自体の「質」を問われる事件も最近多いですが、そもそもその教師をサポートする体制すら整っていないのが現状です。

 

 

今現在で教育に関する制度の抜本的な改革を進めている様ですが、フィンランドの様に教師自体が「ゆとり」をもつまでにはまだ時間が掛かりそうです。

 

※今回の内容の参考文献はコチラ

『Books of teachers フィンランドの教師はなにが同じで、なにが違うか』

『円の外へ 世界にない部活動で何が育つのか6・フィンランド』

 

 

 

フィンランドの対策を振り返って 私たち親が出来る事とは??

今回のフィンランドの対策を振り返って、私たち親が今から必要になる考え方等をまとめて行きたいと思います。

 

 

まず始めにこの記事の内容で何度か書かせて頂いた様に「いじめは犯罪」であって加害生徒は罰せられるべきという考えを持つ事が一番だと言う事です。

 

今の日本の教育体制を見たり、実際に学校に対策を依頼しても何も対策をしてくれない状況が続いたとしても我が子を守れるのは親(自分)しかいないのですから。

 

 

また時には、

・自分の考え方の方が間違っている

・弁護士に相談する事は大げさなのだろうか

・それくらいは「子供の問題」であって親が介入するべきではない

 

と自分の考えをミスリードされたり、錯覚してしまう事が多いでしょう。

 

 

『間違っているとしても間違っていると発言する事がタブー』 

『正しい事は「多数派」か「少数派」なのかで決まってしまう』

 

 

昔ながらの日本の考えですが、教育の分野にもこの考えが浸透してしまっています。

それ故に周りからの支援を受ける事が出来ずに「いじめ」があったとしても親が対応出来ないのです。

 

 

一番は「公の場」で戦う事が一番な時もあります。

裁判で正式な判決を受ければ誰も反抗する事はできませんから。

 

しかし何をするにもお金が掛かってしまい、そう簡単には裁判は起こすことはできませんよね。

 

 

そこで次に必要なのは、今からでも出来る対策として「子供の価値観」を広げるように心がける事が大事になってきます。

 

どうしても日本の学校は1クラス30~40人の大人数(今では30前半のクラスもある)で海外のクラスと比較しても教師1人で見切れる人数ではありません。

 

 

しかも大人数であるが故に対加害生徒の人数が多くなり、対抗するにも限界があります。

それは今回の記事で書いている「傍観者」が多くなる原因の1つでもあるのです。

 

 

一番はフィンランドの様に「傍観者」から「仲裁者」へ転換出来れば良いのですが、このシステムに変換になるまでかなりの時間を要するでしょう。

 

 

したがって、もし我が子がいじめを受けている事を知ったときには自分の事を全否定されている事が多いので「全てを受け入れる事」を念頭に接してあげるようにして下さい。

 

ただ話を聞いてくれるだけで救われる事がありますから、誰にやられたとか何時からやられているのかは後回しにして一番最初には「全てを受け入れる事」に集中して話を聞いてあげて下さい。

 

 

 

まとめ

今回の記事は前回同様に「海外のいじめ対策」としてフィンランドの対策についてまとめた記事となっています。

 

 

このフィンランドではPISA(国際学習到達度調査)で毎年トップクラスの実績を残している国で、PISAが行われた時期から注目を浴びています。

 

どの国でも起きるいじめ問題ですが、「学習」と「対策」の両立はどのような教育体制で行われているのか僭越ながらまとめさせて頂きました。

 

 

 

このフィンランドだけに留まらず海外のいじめ対策で見られる傾向として「いじめは悪、罰せられるは加害者」という考えか根付いていて、毅然とした対応を取れるのが日本との差になっている事が明らかになりました。

 

 

この記事では実際にフィンランドで行われている対策として代表的な特徴3つを紹介させて頂いています。

 

・KiVaプロジェクト

・教育に関する法律

・学校(教員)の裁量について

 

これら3つを元にこれから私たち親がいじめに対してどのような姿勢で臨むべきなのか簡単ではありますがまとめさせて頂きました。

 

この「いじめ-ラボ」も今回のフィンランドに倣って「いじめで苦しんでいる人達」を無くす為に「相談コーナー」を実施しています。

 

我が子のいじめが発覚してから裁判を起こすまでの経験を元に、学校との対応の仕方やどうやっていじめを認めて貰うかなど具体的な内容について答えていますので一度お話を聞かせて貰えませんか!?

 

 

 

いじめが起きてから裁判で勝つまでの経験を元に相談コーナーを実施中!!

 

この記事で書いた事や「いじめ-ラボ」でまとめている内容は私たちの子が実際に受けたいじめをベースにまとめています。

さらにこの記事を読んでいるあなたをはじめ、今現在いじめで悩んでいる方々に少しでもお役に立てれる様に日々勉強をしています。

 

そこで今回このサイトでは記事の紹介だけで無く「これからどうやってこの問題と向き合って行くか、分からない事」などについて随時相談を受け付けております。

  • 我が子にいじめが発覚して、これからどうして良いのか分からない
  • 学校がキチンと対応してくれなくて不安だ...
  • 子供の様子がいつもとおかしい
  • 誰にも相談出来なくて、今の気持ちを聞いて欲しい!

など、私たちの経験を基に記事に書いていない事なども答えられる範囲でお答えします!!

 

長文になりましたが、最後まで読んで頂き本当にありがとうございました。

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