こんにちは!
いじめ-ラボ管理人の「はかせ」と申します。
今回の記事はいつもと趣向を変えて、日本で起きているいじめ問題の他に海外で起きているいじめ問題についてまとめて行きたいと思います。
日本の問題に対する対応の傾向としてよく見られる事は「事なかれ主義」が有名だと思います。
何があっても「穏便に」「お互いのため」「話せば分かる」と言った体裁を取り繕う感じの対応が学校を問わず社会全体に広がっている事は全員ご存知のハズ。
今回この記事を書いていく上で考えている事は、いじめ問題へのアプローチとして海外で起きている問題への対応から「対応方法」についての幅を広げる目的で書いています。
現実問題でいざ我が子がいじめに遭ってしまうと親は何をして良いのか分からない事が多いと思いますが、何事も初期対応が肝心になってきますので、対応の参考になれば幸いです。
※この他にもこのサイトでは私たち家族が子供の被害を通して感じた事や学んだ事をベースにまとめていて、記事形式にして紹介しています。
「いじめ」が他人ごとでは無く明日は我が子に降りかかる問題であり、風化させない為にも実体験を基に記事にまとめています。
もし、我が子が不登校になってどう守って行けば良いのか分からなくなった時にも、あわせて読んで頂ければお役に立てる内容となっています。
実際に裁判を起こしたり、弁護士や行政書士の方のお話を聞いたりと解決策に向けて取り組んできた事の内容を書いていますので是非1度読んでみてください!!
※いじめ問題と過去の裁判や判例についてまとめた記事はコチラ!!
イギリスではいじめについてどう考えているのか
この段落では実際に学校で問題があった場合にどのような考えで対策を学校や親の方で行っているのかをまとめていきたいと思います。
この問題をまとめて行く上でイギリスという国のいじめに対する歴史についてまとめておかなければなりません。
ちょうど日本で中野富士見中学校でのいじめ自殺事件(葬式ごっこで有名)が起きた頃(1980年代後半)からイギリスではこの問題に対する研究が始まっており、後の対策の骨組みになる研究となっている事が判明しました。
日本では「いじめ防止対策推進法」が2013年に制定されていますが、この法律が制定されるまでは対策を始め親が出来る事について何も明文化されておらず学校は「教育現場の聖域」として触れられない事が一般的でありました。
この事から考えて見るとイギリスはいじめ対策に対する「先進国」とみて差し支えない国なのでしょう。
1990年位からイギリスの対策として研究が進み、ある報告書がイギリス教育庁から「エルトン・リポート」という名で公開されます。
この報告書の内容については日本で制定された「いじめ防止対策推進法」の前身といった内容で、
・学校の問題への対処、対策方針の作成
・生徒からの相談等があった場合、速やかに対応する旨
・被害生徒とその保護者に対する支援を整備
を謳っています。
ここまで簡単にまとめて見ただけでも日本とは違い、早い段階で国を基準に動いている事が分かりますね。
では、この調査などが子供や親にどのように影響を与えているのかを次の段落で見ていきたいと思います。
いじめとは何か (著者:森田洋司 発行者:大橋善光 発行所:中央公論新社)
実際に行われているイギリスの対策
先ほどの段落で書いた内容を受けて、実際の教育現場で行われている対策はどのような物があるのかをまとめて行きたいと思います。
調べて行くと日本には無い対策が見えてきましたので項目ごとに分けて書いてみました。
いじめについての書類
イギリスの学校では予め入学する際に「いじめ問題への対策・対応」という事でその学校の方針や・対策の手順などをまとめた書類を生徒と保護者へ配布している事があるそうです。
その書面の内容には
・いじめに対する学校の考え方
・実際に起きてしまった時の対処について
・加害生徒への対応など
が記載されていて日本では名目はあったとしても保護者に前もって書面で渡す事は珍しいのでは無いでしょうか。
我が子を預ける親として安心出来る体制で子供を預ける事が出来そうですね!
監視カメラがいっぱい
なんとイギリスは「監視大国」とも呼ばれており、日本と比べると日常生活を監視されている場面が倍以上あるようです。
実際には500万台以上の設置数を誇り(約11人に1台)、その影響は学校にも及んでいます。
学校のクラスはもちろん更衣室やトイレなんかにも設置されていて何か問題があった場合の対策は万全。
入学当初に渡される書類を裏付けするように「言うからには行動に移す」姿勢が今の日本には無い対策なのだと感じますね。
しかし、ウラを返せばプライバシーの侵害にも当たりかねない内容でもある事とそれだけ問題が起きているからこその設置台数なのかとも取れるかも知れません。
保護者が校内を巡回
最近日本にも見られるようになった親が学校の中を巡回する事で問題発生のリスクを減らす動きがイギリスでは既に行われている様です。
このサイトでも紹介した『自殺の原因はなんと教師!!筑前町立三輪中学校 いじめの内容』の記事の中でリンクしてある動画があるのですが、このような形で親でも学校の様子を拝見できるようになっています。
実際には難しいのかも知れませんが、今の日本のいじめ対策について先生のみで対応するのは非常に難しい局面に来ていると私は感じています。
我が子の被害の時も法律で定めていたとしても対応してくれない、もしかしたら圧力か何かで「対応出来ない」状況になっている事も考えられるかも知れません。
日本ではこのような「親が校内を巡回出来る環境」は整っているとは言い難いかも知れませんが、既に実施しているイギリスなどの国を見習い実施拡大の動きを見せてくれると良いですね。
「市民教育」について
先程まで書いた内容の土台になるのがこの「市民教育(シティズンシップ)」に当たります。
この市民教育についてはイギリス全土で実施されている様で、簡単に言えば「いじめに限らず何か問題が起きた場合には学校だけで無く親を始め地域の人達(市民)で問題を考えよう」という内容です。
またいじめた側の生徒に限らずその親までも罰則を受ける事を定めている事が日本との大きな違いでしょう。
イギリスでは「市民教育」は必修科目となっており、いじめについて考え方は見習う所があると私は感じています。
この「市民教育」が根底に根付いている為に、入学当初に書面で提示出来るし監視カメラが学校に導入している事や校内を学校外の人間が入れる事に繋がっているのでしょう。
以上、簡単にまとめてきましたがイギリスと日本の根底にある意識の違いはこのように行動で大きく分かれている事が分かります。
・イギリスでは「問題が起きるべくして起きる」前提で対策を進めていく
・日本では「問題が起きない様に」対策を進めていく(起きたらその時に考える)
このように違いをまとめる事が出来ると思います。
最たる例で日本で「事なかれ主義」や「恥を隠す事、堪え忍ぶ事」が美学とされているのは、現代社会にでも暗黙のルールとして存在している事が影響しているのかも知れません。
・上意下達
・縦社会
・男尊女卑
・女性優位が前提の「男女平等」
様々な暗黙のルールが存在している日本ですが、この事が子供達の世代にも影響している事が誰も口に出さないだけでみんなが知っている事だと思います。
子供の事だから、学校の事だから、今の若い者は、などと言わず日本に住んでいる人間として考える時がきているのかも知れませんね。
イギリスで起きてしまったいじめ
いままでまとめた内容を見ると日本に比べてイギリスの方が対策が進んでいる様に感じられ「いじめ」自体の数も少ないように感じるかも知れません。
しかし、実際には日本と変わらない位いじめ問題は深刻で自殺を選んでしまう生徒もいるのが現状です。
この段落では実際に起きてしまった事件を2つほど紹介させて頂きます。
事件の内容については次のサイトを参考にまとめさせて頂きました。
※参考にさせて頂いたサイト
『イギリスのイジメが酷すぎる! ペンを目に突き刺されて失明した少年。 海外の反応。』 海外反応! I LOVE JAPAN
『「これがイジメの末に起きる不幸」16歳で首を吊った娘の最期、父親がSNSに公開(英)』 exciteニュース
まず1つは当時15歳(日本で中学校3年生位)の男子生徒が日常的に他の男子生徒グループからいじめを受けており、ある日急に左目にペンを刺され失明してしまう事件が起きてしまいます。
緊急手術を試みるも左目の視力は完全に失われてしまい、男子生徒が当時目標にしていた大工の夢を諦めざるを得ませんでした。
将来を見据えて大工に必要な技術を学ぶ勉強(コース)を受けていましたが、片目しか見えない事と専門的な授業を行っているせいか安全性を考慮しコースを辞退しなければなりませんでした...。
刺された左目の瞳は変形しており、被害の大きさを無言のまま訴えています。
2つ目はいじめを苦に自殺してしまった女子生徒の親が「娘の最期」をSNSにアップしたという事件です。
アップした理由として「2度と娘と同じ目に遭わせないようにする為とこの問題を誰にでも起きる問題だとして改善する目的」でアップしたとの事。
この女子生徒が受けていた被害の内容は日本でも問題となっているSNSでのいじめ。
学校、学校外でも行われていて転校しても止む事は無かったとのことでした。
直接の被害であれば転校や休学で一時的に防ぐ事が出来るし表面化しやすい面もあり問題を掴みやすいのですが、SNSに関連するいじめとなると転校や休学でも防ぐ事はおろか表面化する事無く無制限に相手を傷付ける事が出来てしまいます。
日本でもLINEによるいじめによって何人もの若い命が奪われています。
以上、イギリスで起きた被害についてご紹介してきましたが日本でもいじめに限らず学校問題で自殺を選んでしまう生徒は大勢います。
特に2番目の事件の親が訴えていたように「明日は我が子が被害者になる可能性がある」と言うことを改めて思い知らされた内容となりました。
イギリスの対策を振り返って私たち親の立場で考えられる事
いままでイギリスの対策や実際に起きてしまった事件などをまとめてきましたが、結果的に日本よりいじめに対する考え方や対応は進んでいる事が分かると思います。
何より学校が(全ての学校で行われているとは限りませんが)いじめは起きるべくして起きると言うスタンスで対応をしてくれると言う事が一番大きいのではないでしょうか。
度々日本と比べていますが、どうしても問題が起きてから対策を練るスタンスの日本と比べると遅れを感じざるを得ないでしょう。
「市民教育」を例に取っても考え方の違いは結果の違いを導きます。
誰もが被害に遭う危険性を持っていて、万が一問題が起きてしまっても毅然と対応してくれる人がいる事と加害生徒側への罰則規定がある事がその最たる例なのではないかと私は考えています。
日本では対応よりも「話し合いで丸く収める」的な考え方が浸透しているので、実際に当事者(加害生徒やその親に対する)への罰則は現実的では無いのかも知れません。
しかし、我が子を守る為には「悪い事は悪い」と言える事(気持ちの持ちよう)が肝心になってくると思います。
要は「やるか、そのままか」の違いになるのでしょう...。
多くの方がいじめで裁判まで起こすのはやり過ぎと感じる方が多い反面、実際に被害に遭われた方でしか感じられない問題がそこにあります。
このサイトで少しでも前向きに考えられたら幸いです。
まとめ
今回の記事の内容は今までとちょっと趣向を変えて、今現在起きている問題で海外での対応はどんな感じになっているのかをまとめてきました。
第一弾として「イギリス」の対応についてまとめてきましたが、多くの面で日本との違いが分かりました。
まとめると、
・1990年代から既に研究が始まっていたこと
・国が率先して問題への対応に関係する指針を公表している事
・入学時にいじめの対応に関する書類を渡される事
・監視カメラが校内に設置してあ事
・保護者も校内に入れる
・「市民教育」が必修科目
・加害生徒とその親に対する「懲罰規定」がある
といった様な対策を取られている事が明らかとなりました。
この事から日本とイギリスとの考え方の違いも浮き彫りとなります。
日本では「事なかれ主義」に代表した「堪え忍ぶ事・我慢する事・沈黙」に対する「美徳」が古くから存在していました。
対象的に諸外国や今回のイギリスなどで代表的なのは「発言する事・公表する事・アピールする事」が尊重されていると言う事が分かると思います。
お互いに正反対の性格を持っている日本とイギリスですが、この問題に関して言うのであれば間違いなくイギリスの方が一歩先を行っている事は間違いないでしょう。
特に「間違いを指摘する事・悪い事は悪いと言える事」に関してはすぐに対応出来る代物ではないですから、日本がイギリスから学ぶのであれば早急に考えなければなりません。
またこの記事ではイギリスで起きてしまった痛ましいいじめ事件についても紹介しています。
内容だけ見ると日本と同じ様な事件が起きていますが、そこからのアクションが日本とは違い被害者(遺族)が被害を公表したり訴えたりする場面がよく見られます。
これからこのような事件が起きない様に、繰り返さない為に私たち親が出来る事をやっていける環境が大事になってくると感じました。
そこで「いじめ-ラボ」では我が子のいじめをベースに「相談コーナー」を実施しています。
いじめ発生から裁判を起こした経験を元に、より具体的な内容を「相談者だけ」にお話しています
今まさに我が子が被害に遭い、どうしていけば良いのか分からず途方に暮れているのであれば一度お話を聞かせてもらえませんか!?
いじめが起きてから裁判で勝つまでの経験を元に相談コーナーを実施中!!
この記事で書いた事や「いじめ-ラボ」でまとめている内容は私たちの子が実際に受けたいじめをベースにまとめています。
さらにこの記事を読んでいるあなたをはじめ、今現在いじめで悩んでいる方々に少しでもお役に立てれる様に日々勉強をしています。
そこで今回このサイトでは記事の紹介だけで無く「これからどうやってこの問題と向き合って行くか、分からない事」などについて随時相談を受け付けております。
- 我が子にいじめが発覚して、これからどうして良いのか分からない
- 学校がキチンと対応してくれなくて不安だ...
- 子供の様子がいつもとおかしい
- 誰にも相談出来なくて、今の気持ちを聞いて欲しい!
など、私たちの経験を基に記事に書いていない事なども答えられる範囲でお答えします!!
※質問やお問い合わせはコチラ!
長文になりましたが、最後まで読んで頂き本当にありがとうございました。
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